00270_債権貸し倒れによる損金経理

公開企業や公開に興味のない企業(要するに、税金の支払いを極力抑えたいと考えている非公開企業)においては、決算期末が近づき、当期に多くの利益の計上が見込まれると、何とかかんとか税務上認められた方法で損金を大きくして、無駄な税金を払わない方索を思案します。

損金計上による節税手法の中で、債権貸し倒れによる損金経理というものがあります。

債権の貸し倒れとは、借金や債権が踏み倒されたことを言いますが、法人税法基本通達では、法的な整理の開始に伴う債権の消滅や長期債務超過の状態に伴う債権放棄により債権が消滅したと認められる場合(通達9ー6ー1)や、債務者の資産状況、支払能力等から見てその全額が回収できないことが明らかになった場合(通達9ー6ー2)に損金経理を認めてくれます。

債務者お金を返さない理由として、債務の存在や額を争っているから、という場合もありますが、返したくてもスッテンテンになってしまってお金が返せないという場合は、無駄な回収努力を続けるよりも、貸し倒れに基づく損金経理をして、その分法人税の支払いを減らしたほうが容易かつ賢明な選択といえます。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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