00498_外国判決を用いて日本で強制執行する場合の段取り・プロセス

日本では、民事訴訟法第118条の要件を充足する外国の判決であれば、特別の手続を必要とせずに
「承認」
されます(自動承認)。

つまり、外国の判決書であっても、自国の判決と同等であると
「承認」

「執行」
することができる、とされています。

民訴法118条によると
「外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。
1 (略)
2 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。
3 (略)
4 (略)」
と規定されています。

2について、最高裁判所は、
「(1)『敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達』とは、外国と締結した条約に定められた方法を遵守しなければならない」
とし、また、
「(2)『これを受けなかったが応訴したこと』とは、被告が防御の機会を与えられ、かつ裁判所で防御の方法をとったことを意味する」
としています(最判平10.4.28)。

その上で、香港での裁判において原告側の日本人弁護士が、日本に在住する被告に訴訟書類を直接交付した場合、
「外国と締結した条約に定められた方法を遵守していないから、
(1)には当たらないが、
裁判に出席して争っているので、
(2)には当たる」
という判断をしています。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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