00607_企業法務ケーススタディ(No.0202):契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?をご覧ください。

相談者プロフィール:
株式会社ネプチューンレジャーグループ 代表取締役社長 名黒 純(なぐろ じゅん、55歳)

相談概要:
相談者は、これまでつきあいのあったシステム開発会社にネット予約システム構築を委託しました。
仕様やシステム上の機能などについての打ち合わせはしたものの誓約・発注・契約書などの類に印鑑は一切ついていないなか、システム開発会社は受注に対応すべく規模を拡大し始めました。
ところが、状況は一変し、システム開発中止を伝えたところ、
「訴訟も辞さない!」
と相手は怒り出しました。
相談者は、そもそも契約書を交わしていないのだから、と無視しようとしています。
以上の詳細は、ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【事例紹介編】その1ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【事例紹介編】その2ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【事例紹介編】その3をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1: 裁判では「100万言を尽くした弁明」より「1枚の契約書」
法律の世界では、契約「書」はなくても契約は成立しますが、
「100万言を尽くした弁明」
より
「1枚の契約書」
こそが
「モノをいう」
世界ですので、
「契約トラブルは、筆談戦」
「法的紛争時には、NATO軍(No Action Talking Only『口ばっかりでペーパーなしでビジネスを進める組織』の意)は必ず敗れる」
といわれています。
以上の詳細は、ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【裁判では「100万言を尽くした弁明」より「1枚の契約書」】 をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2: 契約書にハンコさえつかなければ、アコギなドタキャンもOK?
現在の裁判実務では、契約書は絶大な効力がありますし、契約書がなければ
「寝言」
「妄想」(端的にいえば「ウソ」)
として片付けられる可能性が確かにあります。
ところが、たとえ契約書締結に至っていなくとも、合理的な範囲で損害を賠償すべき、という法理論が存在します。
以上の詳細は、ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【契約書にハンコさえつかなければ、アコギなドタキャンもOK?】をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点3: 商取引においても、「婚約不当破棄」もどきは責任を取らされる!
「契約準備段階の過失の法理」
は、正式な契約に至るまでの状況で一方的に破棄する場合は一方当事者が被った損害を填補(てんぽ)することを認める、とするものです。
加えて、商法512条は
「商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる」と規定しています。
以上の詳細は、ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【商取引においても、「婚約不当破棄」もどきは責任を取らされる!】をご覧ください。

モデル助言:
システム開発について契約してもらえるという期待の痕跡が残っており、それが責任といわれかねない状況にありますから、損害賠償をせよとの判決に至る可能性も十分にあるうえに、事件が長期化して、弁護士費用もばかになりません。
したがって、完全に非を認める訳にはいかないものの、期待をもたせすぎたことについて
「手切れ金」(解決金)
を支払うという形で、早期の決着を図るというのも賢明な方法の1つといえるでしょう。
以上の詳細は、ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?【今回の経営者・名黒(なぐろ)社長への処方箋】をご覧ください。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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