00850_企業法務総論におけるフェーズ区分とリーガル・プロセス・チェーン・フレームワークの融合による論点マトリックスの細密化

企業の各活動毎に生じうるリスクを検知するためにイシュー・スポッティング・ツール(論点マップ)を作成する際、著者が
『企業法務バイブル2009』(弘文堂)
等において提唱したリーガル・プロセス・チェーン・フレームワーク分析(連鎖型企業法務プロセスモデルによる課題分析法/Tetsumaru Hatanaka’s Legal Process Chain Framework)を前提に構築することが、疎漏なく合理的な方法として推奨されます。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

以上のフレームワーク上の個別プロセスに特有の各法務課題を検討・遂行する場合、さらに緻密に見ていきますと、法務活動(法務オペレーション)の総論的課題として区分される4つのフェーズごとに議論の質や方向性が異なってくることが理解されます。

そこで、フレームワークと法務活動の総論的各フェーズ分析の視点を組み合わせることにより、より緻密な法務課題マトリックスを含めたイシュー・スポッティング・ツールを作ることができます。

すなわち、企業活動毎の連鎖的フレームワーク上の個別論点フレーム内部において、さらに、
0 フェーズ0:課題概要と全体構造
1 フェーズ1:アセスメント・環境整備フェーズ(法令管理や文書管理に関する法務課題)
2 フェーズ2:経営政策・法務戦略構築フェーズ(経営政策、事業方針策定や、法務戦略構築に関する法務課題)
3 フェーズ3:予防対策フェーズ(契約法務や、コンプライアンス法務・内部統制構築に関する法務課題)
4 フェーズ4:有事対応フェーズ(契約事故を処理するための民商事争訟法務や、刑事事件、行政処分、大規模消費者被害あるいはその他企業の存続に影響を及ぼす大規模不祥事に対応するための有事対策法務)
5 その他、特殊な課題・新たな課題
といった形にさらに細分類された法務課題を、各プロセス内のサブカテゴリーとしてあてはめることにより課題マトリックスをより緻密なものとすることができるのです。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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