01147_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(4)有事対応の基本姿勢その1

1 能動的・機動的に取り組む姿勢

有事状況においては、企業の対応はとかく守勢・後手にまわりがちですが、
「攻撃は最大の防御」
という言葉のとおり、主体的・能動的・機動的に取り組む姿勢が重要です。

有事状況においてはまず、ハードの整備、すなわち有事対応委員会なり有事対応チームを結成することになりますが、この場合の人選は重要です。

有事状況によって、批判や論評ばかり述べ、状況改善のための努力のスピーディーな着手をしないタイプの者は不適格と思われます。

また、メディアから逃げないことも重要であり、必要な限り、メディアに接する機会を十分に取り、メディアとの関係を良好に保つことが必要となりますので、こういう点から外交性に富んだ者も必要になります。

2 冷静な対処

有事状況においては、どのような企業組織であっても、組織全部において混乱が生じます。

また、事態が複雑化・多岐化していき、解決に時間を要するにつれ、組織内の構成員の士気も相当低下していきます。

報道機関のほか、顧客・取引先・従業員・株主までがいろいろなチャンネルでアクセスしてくる一方で、上層部からの情報提供が著しく制限され、流言飛語の事態を招きやすいのが有事状況の特徴です。

結果として、企業活動の一貫性が低下し、危機そのものとは別なところで企業の対応力への不信からさらなる企業価値の低下を招くことがあります。

こういった事態は、予測をはるかに超えるものであり、とかく経営陣は冷静さを失いがちです。

ここで大切なのは、冷静になること、すなわち、自分を客観視し、処理にあたっては、社会的視点や常識を忘れないことです。

危機の場合は視野狭窄に陥り、自分の意見に合致する補強情報を過大評価し、反証情報を過小評価し過ぎる傾向に陥りますが、これは極めて危険な兆候といえます。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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