01218_労働法務>経営資源としての「ヒト」の調達・活用に関する法務課題>特殊な課題・新たな課題>労働審判制度その1

労働審判制度は2006年に導入されましたが、現在はその定着がすすみ、労働審判手続を利用するにあたっての注意点等が明らかになってきています。

1 一部の地裁支部でも利用可能に

従前は、各地裁の本庁のみで労働審判が行われていましたが、東京地裁立川支部と福岡地裁小倉支部においても、労働審判が取り扱われるようになっています。

2 迅速性が明らかに

迅速性を目標としている労働審判制度は、その90%以上が3回以下の期日で終了している(60%程度は、2回以下の期日で終了)ことが、手続の運用全般に対して影響を及ぼしています。

3 第1回期日の重要性

本訴手続においては、訴状の送達を受けた後、答弁書には認否のみを記載して(認否すら記載しないこともあります)、追って主張することとし、相手方の出方を見つつ、あるいは当方の証拠の収集状況を見つつ、戦略を考えることができます。

しかし、労働審判手続においては、第1回期日の冒頭1時間程度で争点整理、労働審判委員会による心証形成が行われてしまうため、答弁書の段階で、最大限の防御を行う必要があります。

この点、申立側は、十分に準備をしてから申立てをすることができるために、申立てられた側・防御側は、最大限の準備を行う必要があります。

4 陳述書よりも申立書・答弁書を充実させるべきであること

労働審判手続は、申立書及び答弁書を前提に回頭で審理を行う手続であるため、手続に関係者が出頭できるのであれば、陳述書の必要性は相対的に低下します。

したがって、このような場合であれば、原則、申立書や答弁書に、限られた時間を用いたほうが合理的です。

5 第1回期日に出頭させる関係人

第1回期日において心証が形成されてしまう関係上、当方の関係人として誰を出頭させるべきかを、検討する必要があります。

審判廷では、出頭した関係人に対して、当該関係人の視点から見ると高圧的とも取れる発言がなされることがあり、これを受けて適切な態度をとることができないタイプの者については、十分な注意が必要となります。

6 訴状・答弁書は、相手方の反論を見据えて作成すること

労働審判手続は第1回期日で労働審判委員会の心証が決められてしまうため、相手方から出されることが予測される反論を見据えた主張をしておくことが必要となります。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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