01461_欧米国際法務>欧米国際法務(フェーズ4)>有事対応フェーズ>外国裁判所において敗訴し、懲罰的損害賠償請求を認容された場合

1  外国判決の内容の「公序」違反

民事訴訟法118条は、外国の裁判所で下された確定判決が日本国内で効力を有する要件として
「判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」(3号)
と定められています。

外国の確定判決が日本の公序に反するとして、日本国内での効力を認めなかった日本の判例としては、いわゆる懲罰的損害賠償(加害者に懲罰を与えて、同様の行為の発生を防ぐために課せられる、実損害の額を超えた高額の賠償)のケースがあります。

米国カリフオルニア州裁判所が下した懲罰的損害賠償を認めた判決を日本で承認執行するよう求められた事件において、日本の最高裁は、
「我が国の不法行為に基づく損害賠償制度が填補賠償を趣旨とする点に反し、公序良俗に反する」
との判断を下し、懲罰的損害賠償の執行を拒否しています。

2 外国における裁判手続が「公序」に違反する場合の対応

最高裁は、
「外国判決の内容だけでなく、その訴訟手続においても、我が国の公序良俗に反しないことが必要である」
との判断を下しています。

したがって、正当な手続保障が与えられなかったり、不当な訴訟手続を前提に、外国で不当な判決を受けたような場合には、判決内容のみならず、判決に至る手続の違法性(公序良俗違反)を主張立証していくべきです。

3 特許における属地主義

最後に、国際取引においてよく誤解されがちな特許に関わる取扱いを述べておきます。

日本ではなく、海外において特許権が取得された特許権に基づき、日本国内の企業に対して、製造差止めや損害賠償を請求する訴訟が提起されることがあります。

しかし、特許権については当該権利が取得された国の領域内においてしかその効力が認められません(特許における属地主義の原則)。

したがって、ある国で取得された特許権は、登録等を行って別途権利化の手続をとらない限り、取得国以外では一切特許権としての効力がなく、いくら侵害しても自由、ということになります。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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