01671_企業法務スタンダード/企業法務担当者(社内弁護士)として実装すべき心構え・知見・スキル・仕事術、所管すべき固有の業務領域(14)_/企業法務スタッフの資質・能力の改善・向上させるために

法務部という組織ないし部署を立ち上げ、一定の資質・能力を有する企業法務担当者を徴募して、組織ができあがり、組織が動き始めました。

法務部が動き始めたあとは、レベルアップを目指すことになります。

「企業法務担当者の資質・能力の改善・向上」
というお題目は結構なのですが、実際行われていることは、座学研修をさせてお茶を濁すくらいで、あとは、年功序列でなんとなく肩書がついて予算と権限が増え、これに伴って、まるで
「形が調えば能力や中身が後からついてくる」
といった愚劣な発想の下、陳腐なやり方でキャリアデベロップメントデザインを構築し、踏襲している、というところも少なくありません。

「企業法務担当者の資質・能力の改善・向上」
を適切に行うには、まず、ベンチマーキングをきちんとデザインすることから始めないと、不可能です。

具体的には、

H-・NGレベル 】当該スキルを要求される業務について一切タッチさせてはいけないレベル
【H0・デフォルトレベル 】当該スキルを要求される業務についてブリーフィングなしに補佐補助を任せると過誤修正が多くなり却って時間や手間を要するので、判断を一切伴わない単純事務しか任せられないレベル
【H1・アシスタントレベル 】体系・全体構造・概要把握レベル・当該スキルを要求される基本的業務(ルーティン)について補佐補助を任せられるレベル
【H2・スタッフレベル 】当該スキルを要求される基本的業務(ルーティン)について責任者として自律的に執務ができるレベル・ルーティンフロー(業務の基本・手順・段取り)やルーティンオペレーション上派生する典型的な問題点を理解・把握しており、自主的に課題発見・特定・処理できるレベル
【H3・マネージャーレベル 】応用実務(ボーダーラインケースや新奇課題)に対応できるレベル・手順や事務構造や組織構造の軽微な改変(マイナーチェンジ)に対応できるレベル
【H4・エグゼクティブレベル】最高法務責任者として当該スキル分野に関してあらゆる対応ができるレベル

といった形に整理し、それぞれのレベル毎に、
00630_法務担当者のスキルレベル測定基準
で述べたような詳細なベンチマーキングデザインを行うことが大前提になります。

以上のスキルレベルは、いわば、標準的な企業法務の仕事のスキルの発展・成長段階を整理したものです。

ただ、現代の企業活動においては、このような
「標準的な企業法務の仕事のスキル 」
をもった、いわば陳腐なルーティンオペレーターとしての法務担当者では、
「目まぐるしく変化する法務環境への対応」
や、
「突如発生し、発生した急速に深刻化・重篤化する法務リスクへの対応」
さらには、
「競争優位を構築するために必要な、法務上の知見を生かした、戦略的な(別の言葉を使えば、狡猾で、卑劣で、抜け目ない)ビジネス構築・ビジネス展開」
には不十分、と認識されており、そのために、
「戦略法務を担える、質の面で非連続的な変化・改善を遂げた、戦略人材としての法務部員」
の徴募や養成が必須、などといわれています。

このような文脈で語られる
「戦略法務を担える、質の面で非連続的な変化・改善を遂げた、戦略人材としての法務部員」
について、どのような徴募方針・育成方針で人的資源として実装するかは
00236_戦略法務を担える、「ルーティンオペレーターではない、戦略人材としての法務部員」を調達・養成するには
において詳述しています。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ

企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

弁護士法人畑中鐵丸法律事務所
弁護士法人畑中鐵丸法律事務所が提供する、企業法務の実務現場のニーズにマッチしたリテラシー・ノウハウ・テンプレート等の総合情報サイトです