01849_有事の際、自分に合う弁護士を探す視点その3

法務相談を何度か受けているにもかかわらず、本業が忙しいからと、あるいは、そんなに大げさなことにならないだろうとタカをくくっていると、状況は悪化の一途をたどります。

時間的に緊迫し、選択肢すらないような状況になってから、混乱のあまり、
「もうすべてにおいて無理」
「家族や友人と相談したい」
と、連絡をしてくるクライアントもいます。

もちろん、撤退や手仕舞いも、
「軍議」「外交戦略」
の一種です。

家族や友人に相談するのも結構ですが、家族や友人が
「軍議」「外交戦略」
に対応できる知性や経験値をもっているとはいえません。

よくよく思い返していただきたいのですが、弁護士は、事態を予測し、想定した上で、時間的冗長性がある間に備える、という極めて価値ある提案を、法務相談初期において、しているはずです。

それを、その場で聞き流した(何も対処せずにいる、というのは、結果的に、弁護士の助言・提案を聞き流したことになります)がために、時間と機会を喪失し、選択肢がなくなり、状況はますます悪化したのです。

著者は、しびれるくらい噛み砕いて、わかりやすく、誰に配慮することなく、ストレートにズバッと話すことを信条としています。

たとえるなら、ガンと診断して、ガンの状況を正確に伝えた医師を、
「そんな話は聞きたくない」
といって、遠ざけて、耳に心地良い話をしてくれるセラピストに依頼しても、ガンの進行は止まりません。

ガンに罹患したことが不愉快だからといって、ガンをイボだと言い張ったところで、ガンは進行するだけですから。

ガンに罹患したなら、どれだけ絶望的で不愉快であっても、ガンの状況や進行度合いを正確に見極めることです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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