01867_ 法務相談の費用

弁護士は、日常的に、
「事件」
という言葉を使いますが、それは、
「案件・プロジェクト・弁護士業務」
と同義です。

「法律相談」
とは、弁護士が、事件として対応する必要があるかないかを見極め、対応する必要が有る場合に、その成否蓋然性と動員予算(見積もり)を推定して、提示するのが目的です。

ですから、相談者が法律相談に1回行ったからといって、抱えている問題や相談事が、一度にスパっと解決・解消するわけではありません。

しかも
「無料」
と銘打つ法律相談は、
「1回の相談時間は30分程度」
などと時間を制限しています。

相談時間を有効につかおうとするならば、医者でいうところの問診票にあたるようなものを相談者自身があらかじめ用意しておくと良いでしょう(何も用意せずに相談に行くと、大抵の場合、抱えている問題や相談事のサワリだけで持ち時間はすぐになくなってしまいます)。

さて、法律相談を経て、抱えている問題や相談事が法的に解決しなければならないような場合、相談者が求めれば、弁護士は事件受任を前提に(「事件着手」に移行する方向で)、見積もりを提示します。

弁護士によって違いはあるでしょうが、著者のいう弁護士報酬とは、次の4つを指します。

1 着手金
事案に着手するに際して予め申し受ける金額です。
資料収集・整理及び事案内容のミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化を遂行するための費用(*)。

2 リテーナーフィー(事件管理料)
事件継続中に各種状況の報連相(ご報告、ご連絡ないしご相談)を行いあるいはクライアントからの不安や質問に対処するための費用です。
尚、相談時において、終期を明確に定義することは困難です。

3 成功報酬
事件の成功を得た場合に発生する金額です。
ただし、相談段階で見積もった作業負荷が、(弁護士の)把握し得ない相談者の事情の発生に伴い、想定外に増大した場合、別途の費用が発生し得ることもあります。

4 実費
資料収集等に要す通信費、印紙代、印刷費、交通費など。

(*)資料収集・整理については、費用を低く抑えようとするならば、相談者において準備することを推奨します。時間・費用とトレードオフとなります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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