01882_検索と商標権侵害について

たとえば、商標登録している自社の製品やサービスを検索すると、なぜか、自社ではなく他社の製品の広告が出てくるとします。

これは、商標権を侵害されていることになるのでしょうか。

他社製品の広告が出るようになってから、自社製品・サービスの売り上げがどんどん下がってきている現実を前にすると、何とかしなければならないことは確かです。

しかし、相手方に文句をつけたところで、
「あなたのブランドをパクっているわけではない、検索のロジックで仕方がないじゃないか」
と、言い逃れされそうです。

要するに、全体から観察すると、紛らわしいことではあるが、商標権の侵害とまではいえないような場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか。

訴訟を起こし、裁判所に
「具体的文言や態様を見て、それが商標的使用にあたるのか」
を判断してもらう方法もありましょうが、時間・カネとのトレードオフ課題となります。

ビジネスのスピードを考えると、結局、相手方に、商標権侵害でまったく責任追及できない、ということになるのでしょうか。

やはり、泣き寝入りするしかないのでしょうか。

知財実務家なら、戦略をもっています。

策がないわけでは、ありません。

1つは、「不法行為のビジネス版特則」とも呼ぶべき不正競争防止法であり、
1つは、一般不法行為です。

不正競争防止法は、他人の商品等表示として需要者に広く認識されているものを使用して営業主体の混同を生じさせる行為を不正競争行為としています(不正競争防止法2条2号)。

要するに、有名な商品やサービスにあやかって、紛らわしい商売を展開して、タダ乗りして不当に儲けるは違法、という考え方です。

もう1つは、一般不法行為ですが、これは、知財の正攻法でうまくいかないときに、プランBとして発動されるもので、知財実務家の間では有名な戦略オプションです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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