01902_ストーリー構築とストレステスト

法務相談を経ると、弁護士はストーリー(筋書き)を構築し、その後、相談者にストレステストを行います。

要するに、弁護士が構築したストーリー(筋書き)が、相談者にとって、
・事実と違う話か
・自分の経験したものと違う話か
等、違和感があるかどうかの確認をするのです。

それは、これから相談者が相手方と対抗するためのものです。

相談者においては、この営みの意味を、より本質的なところで理解できないと、弁護士ときちんとした連携が取れず、結果、成果が挙げられません。

作戦原理の本質を理解するには、下記コンテンツ及びビデオを、閲読・視聴することを推奨します。

https://9546.jp/2019/06/05/00470_%e6%b0%91%e4%ba%8b%e8%a8%b4%e8%a8%9f%e5%bc%81%e8%ad%b7%e6%b4%bb%e5%8b%95%e3%81%ae%e5%ae%9f%e9%9a%9b%ef%bc%9a%e8%a8%b4%e8%a8%9f%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%81%ae%e6%88%a6%e7%95%a5%e6%80%9d/

さて、ストーリー(筋書き)については、禁忌事項があります。

それは、相手方の手許にある客観的痕跡と異なる事実を筋書きに加えることです(訴訟になり、反対尋問になったら、露呈し、筋書きが崩壊するからです)。

したがって、ストレステストに加え、

1 相手方が客観的痕跡をもって完璧な反証ができないエピソードについては、筋書きに加える
2 相手方が客観的痕跡をもって完璧な反証が可能なエピソードについては、筋書きから外すか、少なくともカバーストーリーを補充する

ということも、必要となります。

経緯を知るのは本人である相談者だけなので、きっちりと作戦構築に協力・参加することが肝要です(人任せ、弁護士任せにはできない、ということです)。

最後に、この作戦構築の原理は、訴訟実務において特異なものであり、きちんと理解・実践している弁護士はごく少数にとどまることも申し添えておきましょう。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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