01919_ビジネス契約についての評価を弁護士に依頼するとは

ビジネスにおける契約書は、すでに経済的意図として構築された
「事業モデルや取引モデル」
を、ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化したもの(これを通じて将来の紛争予防や意思合致の齟齬をなくす)、という側面もあります。

よって、この点においては、
「事業モデルや取引モデル」
の実体・機序作用の詳細・背景等といった情報を、評価する弁護士と共有することが必要となります(でないと、疎漏が生じ得ます)。

加えて、そもそも、 経済的意図として構築された
「事業モデルや取引モデル」
そのものが不合理なものやリスキーなものの場合もありますので、
「事業モデルや取引モデル」
の合理性検証というプロセスを弁護士に求めるケースが生じ得ます。

以上を総括しますと、段取りとしては、

1 経済的意図として構築された「事業モデルや取引モデル」の把握
2 「事業モデルや取引モデル」のストレステスト、所要のチューンナップ
3 言葉の壁という対処課題の克服
4 意味の壁という対処課題の克服
5 演繹的推論の壁という対処課題の克服
6 帰納的把握の壁という対処課題の克服
7 最終的評価(「企図する事業モデルや取引モデル」と、「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化したものとして提案された契約書ドラフト」の齟齬や整合性)

という1~6の各タスクを経由して、初めて、弁護士は、ビジネスにおける契約書(ドラフト)の評価である7が可能となります。

著者の経験上、1~6まで自身(あるいは自社)において整えてから、7の評価を弁護士に依頼したい、という経営者がほとんどです(1~7までを最初から弁護士に依頼する経営者は、費用よりも時間に価値をおくタイプです)。

そして、現実は、契約言語という特殊言語の壁に阻まれ、3の段階で呻吟する経営者が少なくありません。

ところが、結局のところ、呻吟した時間があだとなって、3以降を弁護士に依頼するときには、ラッシュタスクとなってしまう方が少なくありません。

もちろん、ラッシュであっても、弁護士に依頼すれば、7に至るプロセスにまでたどり着くことは可能でしょう。

そこで、問題となるのは、納期と予算です(納期と予算とは、相関性があり、納期に冗長性がないラッシュタスクは、相応に費用がかかるものです)。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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