02024_企業が抱える解雇にまつわるトラブル(教えて!鐵丸先生Vol. 32)

<事例/質問> 

知り合いの社長が、労働者から訴えられて、裁判でも主張が受け入れてもらえなかったとぼやいていましたが、企業が労働問題で苦労するのは何か原因があるのでしょうか。

逆に、労働問題を起こさずに安全・安心に経営するコツってあるのでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

企業が労働法でつまずく大きな原因は、企業が
「ヒト」

「モノ」
の区別を正しく理解していないことにあります。

昔、人類社会には奴隷制度がありました。

労働力を提供する
「奴隷」
と呼ばれる人たちは、人間としての権利や尊厳を持たず、
「モノ」
と同様に扱われていました。

例えば、仕事でパソコンという
「モノ」
を使います。

パソコンは手頃な値段で購入でき、情報処理を助けてくれます。

しかし、何年か経つと壊れたり、陳腐化したりして使えなくなります。

そのとき、私たちは使えなくなったパソコンをどうするでしょうか?

大事に保管し続けたり、保守料を払い続けたりはせず、速攻でゴミ箱に捨ててしまいます。

では、労働者はどうでしょうか?

労働者はモノとは違い、成長し続ける存在です。

しかし、時には健康を害したり、スキルの見直しが必要になったりすることもあります。

経営者はそうした状況の労働者をどうするのでしょうか?

多くの社長さんは
「速攻で解雇してポイ」
と言いたいでしょう。

また、実際にそうしている社長さんも少なくないと思われます。

なぜなら、
「日本では、10社中7~8社の企業が労働関連法規を無視して経営している」
という実態があるからです。

しかし、残念ながら、近代法治国家では
「ヒト」

「モノ」
は明確に区別されています。

パソコンでできるような廃棄物処理は、
「ヒト」
には一切許されません。

ヒトとモノの区別ができていない、古臭い人権感覚を持った企業トップが多いことが問題です。

そのため、
「日本では、10社中7~8社の企業が労働関連法規を無視して経営している」
実態が改善されず、厳然と存在しているのです。

詳細は、以下をお聴きください。


※「教えて!鐵丸先生」のコーナーは、番組後半、37分47秒以降から開始されます

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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