01692_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)3_人は、生きている限り、法を犯さずにはいられない(後)

1 すべての法律が、「一義的な理論によって説明しうる絶対的・普遍的・ 科学的法則に基づくもの」といえるか? そもそも、法律自体、理論や科学で説明できるものではなく、合理的な装いをまとった宗教に近い、単なる価値の体系であり、わかりやすく、身も蓋もない極論でいってしまえば、偏見の集積であり、特定のイデオロギーに過ぎません。...

01691_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)2_人は、生きている限り、法を犯さずにはいられない(前)

1 人間は人工知能やロボットではなく、本能をもつ「動物」の一種である 人間は、生きている限り、法を犯さずにはいられません。 これは、歴史上証明された事実です。 「人間が生きている限りどうしても法を守れない」「人間が生きている限りどうしても病気や怪我と無縁ではいられない」 こういう厳然たる事実があるからこそ、医者と弁護士...

01574_企業(株式会社)は生まれてすぐに、ハンデなしのガチンコ競争社会に放り込まれる(1)_人間の場合における未成年者保護制度

人間の場合、新生児は非常に未熟な状態で生まれてきますし、生まれた後も大人になるまで、周りがいろいろと世話を焼いてやらなければなりません。 このように実生活において、子供が大人による保護の対象となっているのと同様、法的な意味においても、よちよち歩きの赤ん坊や幼児、学生等の「未成年者」については、保護の対象とされています。...

01572_株式会社には責任者などおりません(6)_「無責任なバーチャル人間」である株式会社との付き合い方

株式会社と言えば、世間では、「公器」などといわれ、信用があるように思われているようですが、見てきた通り、会社とは法律上のテクニックとして作られた幽霊のようなバーチャル人間にすぎず、しかも、会社にかかわる関係者全員、責任を巧妙に回避できるようになっています。 とはいえ、株式会社は資本主義社会における重要なプレーヤーとして...

01571_株式会社には責任者などおりません(5)_会社が倒産しても社長は逃げおおせることが出来る

1 ツッコミその1:「会社が倒産すると社長も仲良く破産することがあるぞ」 前稿で述べたように「株式会社においては、オーナーも、社長も、経営幹部も無責任」という趣旨の話をすると、まず、「でも、中小企業が倒産すると、社長も一緒に破産することがあるでしょ」という1つ目のツッコミが入ります。 まず、このツッコミについて検証した...

01570_株式会社には責任者などおりません(4)_法人とは「バーチャル人間」

株式会社は「法人」の代表選手ですが、法人というのは、法務局備え置きの登記簿上でしか確認できない幽霊のような存在に過ぎず、お情けで法律上の人格を特別に認めてあげているものです。 そもそも「法人」とは、フツーの人間と違い、法律上のフィクションで人として扱うバーチャル人間のことをいいます。 とはいえ、ご承知のとおり、現代経済...

01569_株式会社には責任者などおりません(3)_社長や経営幹部も無責任

「株式会社の株主は無責任」なんて言い方をすると、「そりゃ企業のオーナーである株主はそうかもしれないが、社長や経営幹部はそれなりの責任があるでしょ」なんていわれそうです。 しかしながら、ごく一部の例外的な場合を除き、社長や経営幹部、すなわち会社の取締役といわれる方についても、原則として、経営の失敗に関しては法的には無答責...

01568_株式会社には責任者などおりません(2)_「有限責任」とは社会常識的には「無責任」と同義

株式会社制度に関して、立派な学者の先生が書いた理論的な説明された文章を探してみます。 すると、こんなことが書いてあります。 曰く、「株式会社とは、社会に散在する大衆資本を結集し、大規模経営をなすことを目的とするものである。かかる目的を達成するためには、多数の者が容易に出資し参加できる体制が必要である。そこで会社法は、株...

01567_株式会社には責任者などおりません(1)_責任者不在の組織、株式会社

経済社会においては、「株式会社」という存在は欠かせないものであり、皆さんも日常よく耳にされているかと思います。 他方、株式会社という法律上の仕組みは意外と難しく、大学法学部生は「会社法」という科目として1年かけて勉強するのですが、それだけ勉強してもなお定期試験で悲惨な成績しか取れない学生が結構多い、という厄介な代物です...

01565_ウソをついて何が悪い(15・完)_「ウソついたら、ハリセンボン級のペナルティ(重罪犯か罰金100億円)」のアメリカその3・終

ディスカバリーで、膨大な資料をめでたく提出できても、まったく安心はできません。 提出した後の方が、もっと大変です。 提出されたこれらの資料に基づいて証言録取(デポジション:deposition)という手続きが行われます。 海外の法廷ドラマで、証人に宣誓をさせた上で、面前に三脚に乗せた小型カメラを設置し録画しながら、凄(...