00280_口頭契約の危険性

ベンチャー企業の中には、大手企業からの指示で、大きな売り上げの見込みをエサにさんざんパイロット商品を作らされた揚げ句、担当者の「やっぱ、やめた」の一言で、突然、契約の締結を拒否され、その結果、莫大な損害を被るところが少なくありません。 こういう場合、大抵の大手企業側は、一切ペーパーを出さず、言質を取られず、責任者といっ...

00273_ズルいことや、エゲツないこと、過激なことをしようとするときは、必ず事前にチェックしなければならない、経済取引における一般法理・不正競争防止法

不正競争防止法という法律を聞いたことがある方も多いと思いますが、「どんな法律か」と聞かれても、その特徴を一言で答えるのはなかなか難しい法律です。 それもそのはずで、不正競争防止法は、その名のとおり、経済社会における不正な手段を弄した競争を防ぐ目的の制定された法律で、経済取引における一般法理ともいうべき法律であり、いろい...

00249_契約書のボリュームアップ化現象

日本の産業界では、ついこの前まで、どんなに大きな取引でも欧米流の分厚い契約書は嫌がられ、「信頼関係」という日本独特の美風と伝統に基づく、簡素な(というか法的にほとんど意味のない)契約書による取引(あるいは契約書すらあえて作らない取引)が尊ばれてきました。 また、「契約書に想定しないような状況や契約文書の解釈に相違が生じ...

00244_性悪説に立った契約書設計

今どきの契約書において、カネを払う側は、取引相手を「信頼に足り得る取引先」としてではなく、「契約書で縛っておかないと、あらゆる悪さをする危険のある、信頼できない奴」としたうえで、性悪説に立った契約書を取り交わし、厳格な法的管理を実行することがトレンドです。 「先生、信頼に足る適正な関係を構築するために必要な、関係構築哲...

00243_契約自由の原則:愚かでリスキーな契約上の立場に陥れられたら、それは自己責任であり、そんな愚かでリスキーな契約した方が全て悪い

民商事法の世界では、契約自由の原則という理屈があります。 これは、どのような契約を締結するかは当事者間の自由であり、公序良俗に違反しない限り、裁判官が理解して判決書ける程度に明確な条項を取り決めてあれば、どんな契約上条項も法的に有効なものとして取り扱う、という原則です。 逆に、契約相手を漫然と信頼して、本来契約内容にし...

00235_銀座や新宿等の繁華街における「賃借店舗の買収」話に内在するリスク

たまに、銀座や赤坂、六本木、赤坂、渋谷、新宿等の「新規開店が困難な超人気スポットの路面の賃借店舗」が、店舗買収、店舗M&A案件等として、ブローカーやM&Aアドバイザー等を介して案件持ち込みされる場合があります。 出店困難地域、掘り出し物、路面でなかなか出てこない案件、ホールドは5日が限界、3日以内に手付を等のセールスト...

00234_取引設計(契約条件具体化)作業における「取引対象の特定」の重要性

契約書を作成する前提として、契約条件を具体化する必要があります。 こういう言い方をすると、「言われなくてもわかっている」というリアクションが返ってきそうですが、実務上、契約書の内容の問題以前に、取引設計レベルにおいて、契約条件が曖昧模糊としており、これが原因でトラブルに発展するという事例が多く見受けられます。 モノのや...

00193_企業法務ケーススタディ(No.0148):契約解除のお作法

相談者プロフィール:コスメグッズ販売「美容センター」株式会社 代表取締役 田邊 奈緒美(たなべ なおみ、24歳) 相談内容: ちょっと、聞いてくださいよ、先生。実は、あたしのように美しくスタイル抜群な女性になりたいっていう女性のために、ウチの会社名「美容センター」を縮めた「美容セ(びようせ)」って名前の美顔器...

00145_企業法務ケーススタディ(No.0100):履行の着手

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: ザーマス・リアルエスティト株式会社 社長 仁村 和勝 (にむら かずかつ、年齢非公表) 相談内容: 土地、売れねぇのかよっ! なぁ、先生よぉ~。俺、びっくりしちゃったよ。ウチは不動産を売った...

00032_企業法務ケーススタディ(No.0006):銀行支店長から持ち込まれる投資案件には要注意

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:有明製パン株式会社 オーナー 有明 聡子(ありあけ さとこ、61歳) 相談内容:先生、ごきげんよう。ところでね、先生ね、今日はちょっと先生のご意見をうかがいたいんです。芝浦に長年使っていないパン工場跡地...