00667_民事裁判官のアタマとココロを分析する(5):「地裁で負けても高裁があるとか」舐めたこと考えてんじゃねえよ。日本は3審制でなくて、1.3審制なんだよ。

皆さんは小学校時代、「日本の司法制度は三審制。地裁、高裁、最高裁、と、3回裁判のチャンスあり」と習ったのではないでしょうか。 無論、それは形式上、論理上、建前上、間違いではないのですが、ただ、言葉と実態がかけ離れており、言葉を額面通り受け取ると、エライ目にあうようなお話といえます。 分かりやすく、実態に即した言い方をす...

00665_民事裁判官のアタマとココロを分析する(4):証人尋問は退屈で無意味なセレモニー

一般に、「証人尋問は訴訟の最も重要で、ドラマチックな場面」などと考えられているようです。 東京地裁が取り扱う民事事件については、連日、法廷において、鋭い尋問、動揺する証人、喧々諤々とした論争、丁々発止のやりとり、連発される異議、飛び出す新証拠、傍聴席を埋め尽くすたくさんの傍聴人、身を乗り出す裁判官、などとテレビドラマの...

00664_民事裁判官のアタマとココロを分析する(3):国民の支持とか賛成とかどうでもいいが、「国民の信頼」を無くさないよう、むちゃくちゃ気を遣う

民事裁判官は、訴訟経済、すなわち、事件を解決するためのスピードと効率性を何より大切にし、「予断と偏見」という職人的スキルを使って事件を処理します。 他方、訴訟経済を追求した結果、あまりにデタラメや間違いが多すぎると、今度は、国民の裁判や裁判所や裁判官に対する「信頼」がなくなります。 「国民の裁判や裁判所や裁判官に対する...

00663_民事裁判官のアタマとココロを分析する(2):「予断と偏見」を以て事件に向き合う

よほどマイペースで無能な裁判官を除き、普通に空気を読める普通の能力をもつ職業裁判官は、証人尋問の前において、事件の勝敗の方向性(業界用語で「事件の筋」などと読んでいます)や心証を決定しまっており、証人尋問を開始する時点では、主張の中身や書面の証拠だけでほぼ決定済みなのです。 いえ、もっと突っ込んだ言い方をすると、「きち...

00662_民事裁判官のアタマとココロを分析する(1):正義の実現や真実の発見より、スピードと効率性(訴訟経済)

民事裁判については、当事者にとっては命より大事なカネや財産や地位やメンツといったものがかかっていますが、社会全体や国家にとってみれば、民事裁判のテーマは、言ってしまえば、「たかが一般市民同士のつまらないいがみ合い」です。 訴訟など、別に起こしても起こさなくてもいい。 地裁・高裁・最高裁と何年も不毛な戦いを続けるのも自由...

00651_ドラマチックな要素が皆無の民事裁訴訟における証人尋問の実体

一般に、「証人尋問は訴訟の最も重要で、ドラマチックな場面」などと考えられているようです。 東京地裁が取り扱う民事事件については、連日、法廷において、鋭い尋問、動揺する証人、喧々諤々とした論争、丁々発止のやりとり、連発される異議、飛び出す新証拠、傍聴席を埋め尽くすたくさんの傍聴人、身を乗り出す裁判官、などとテレビドラマの...

00640_企業法務ケーススタディ(No.0222):訴訟のコスパ やられたらやり返すな!

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース29:訴訟のコスパ やられたらやり返すな!をご覧ください。 相談者プロフィール:アルティメット・リベラル株式会社 代表取締役社長 古市 太刀郎(ふるいち たちろう、62歳) ...