00245_解雇不自由の原則

労働法の世界では、解雇権濫用の法理といわれるルールがあるほか、解雇予告制度や即時解雇の際の事前認定制度等、労働者保護の建前の下、どんなに労働者に非違性があっても、解雇が容易に実施できないようなさまざまな仕組が存在します。 映画やドラマで町工場の経営者が、娘と交際した勤労青年に対して、「ウチの娘に手ぇ出しやがって。お前な...

00213_企業法務ケーススタディ(No.0168):裁量労働を使えばサービス残業OK?

相談者プロフィール: 株式会社楽大・システムズ 伊集院 輝(いじゅういん てる、45歳) 相談内容: 先生、ちょっと困ったことがありましてね。最近退職したウチのシステムエンジニア(SE)が、未払いの残業代1千万円を払えっていってきたんですよ。でも、ウチの会社では、そのSEが入社する前から、SEについては裁量労...

00203_企業法務ケーススタディ(No.0157):雇用上の安全配慮義務

相談者プロフィール:ねんじ質店株式会社 代表取締役 大林 利次(おおばやし としじ、71歳 ) 相談内容:先生、世間は不景気が続いているようですねぇ~。うちの質屋にも、ちょっと前まで羽振りがよさそうだった方々が、高給腕時計やら象牙の置物みたいな高価な物を持ち込んだり。まぁ、お陰さまで質屋は大忙しですよ。最近は、深夜の買...

00155_企業法務ケーススタディ(No.0110):就業規則をイジリたい!

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:真砂(マサゴ)デトックス研究所株式会社 社長 真砂 豪男(まさご たけお、38歳) 相談内容: 先生~、聞いてよ~。私の会社、こういっちゃなんだけどなかなか順調じゃない!?そうそう、「真砂(マ...

00143_企業法務ケーススタディ(No.0098):休暇を与えて残業代をチャラにせよ!

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 東京テレビ製作株式会社 人事部長 斜見 信一郎(はすみ しんいちろう、37歳) 相談内容: テレビ制作会社の人事ほどつらい仕事はありませんよ。世間は、不景気だ、不景気だ、と騒いでいるようです...

00115_企業法務ケーススタディ(No.0069):マイカー通勤制のリスクに注意せよ

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 株式会社談合坂建設 代表取締役 妹新井 栄(いもあらい さかえ、41歳) 相談内容: ウチの会社では、以前は、会社にいったん集合してから会社の車で現場に向かわせていたのですが、昨年ガソリン代...

00078_企業法務ケーススタディ(No.0032):システムエンジニア派遣事業のリスク

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 株式会社スッキリ・ソリューション 社長 佐藤 公次(さとう こうじ、38歳) 相談内容: 先生、おはようございます。当社は、銀行や証券会社に対して、クライアント企業内部のシステム開発要員とし...

00035「残業代を払うことなく延々と労働を強制できる、経営者にとって夢のような労働者」である、“管理監督者”とは?

労働基準法第41条は、「監督若しくは管理の地位にあるもの(いわゆる「管理監督者」)」について、労働時間、休憩および休日に関する規定の適用の除外を認めています。 逆にいえば、「管理監督者」に該当するような従業員に関し、法は過酷な残業を許容している、ということができます。 とはいえ、違法残業をさせるため、入社半年の従業員に...

00034_サービス残業は単なる違法行為

企業経営者の中には、「従業員たる者、滅私奉公の精神を持つべきで、サービス残業など当たり前」との戯言を平然とおっしゃる方がおられます。 ですが、「サービス残業」というと聞こえはいいものの、「客観的には企業が支払うべき残業代を支払っていない」という事実に変わりなく、つまるところ「労働基準法違反の常態化」という違法行為を企業...