00454_商標を使う企業の目的とメリット

そもそも、商標とは、商品を購入しようとする人やサービスを受けようとする人に対し、その商品・サービスを「誰」が提供しているのかをはっきりさせるために、業として当該商品やサービスなどに付けるマーク(文字、図形、記号、形状など)をいいます。 そして、商標には、一般的に、「出所表示機能」「品質保証機能」といった作用があるといわ...

00439_職務著作とは

職務著作(法人著作)とは、従業員が創作した著作物について、使用者である企業に「著作者」の地位を直接与える制度です(著作権法15条)。 特許法にも類似の制度(職務発明)がありますが、こちらはあくまでも「発明者」は発明を行った当該従業員であり(発明者主義)、「職務発明と認められる場合には会社が相当な対価を従業員に支払って特...

00370_職務発明を企業のモノにするためのハードル

企業が職務発明を自社のモノとして専有するにはいくつかハードルがあります。 まず前提として、職務発明に該当するためには、1 企業等に雇用される従業員が、2 その業務の範囲内において行った発明で、3 現在または過去の職務に属する発明である必要があります(特許法35条1項)。 当該企業等に雇用されていない委託先の別会社の従業...

00369_職務発明制度

特許を受ける権利は、発明を自ら行った者(発明者)に与えられるのが原則であり、法人は発明者にはなり得ないとされています。 したがって、当該発明を自ら行った者が特許申請を行い、特許権を取得するのが通常です。 しかしながら、発明はその技術が高度であればあるほど多大な費用が必要となります。 そして、通常、企業などに所属する従業...

00340_個人情報保護法の制定背景:努力指針から法的義務へ

一昔前であれば、個人情報の保護など全く意識されず、各種学校の名簿なんかがごく普通に名簿業者に売買されていました。 会社の従業員も、カネに困ったら、小遣い稼ぎのために会社の顧客名簿を売りさばき、バレたところで、ちょっとお叱りを受ける程度で済んだ牧歌的な時代もありました。 しかし、高度情報化社会が到来した現代にでは、各種企...

00312_「特許を受ける権利」と「発明者」

「特許を受ける権利」すなわち、特許を出願し、特許権の付与を受けることができる者は、特許法上、「産業上利用することができる発明をした者」すなわち「発明者」であるとされています(特許法29条柱書)。 しかしながら、「発明者」とはどのような者を指すかについては明文の規定が存在しません。 学説上は、まず「発明」を「自然法則を利...

00296_「世界万国で通用する国際特許権」などという代物は存在しない

飲み屋等でよく、「ウチの特許は国際特許だぞ」などということを自慢気に語る中小企業の社長さんがいらっしゃいますが、「世界万国で通用する特許権」などという代物は存在しません。 そもそも、特許権については当該権利が取得された国の領域内においてしかその効力が認められません。 すなわち、ある国で取得された特許権は、登録等を行って...

00239_著作者人格権:著作物を買った人間は、カネを払った以上、煮るなり焼くなり、いじくり回したり、落書きしたり、やりたい放題できるか?

資本主義社会においては、カネを持ってるヤツ、カネを出したヤツが一番エラい、というのがシンプルなルールです。 貧乏な芸術家に、シビれるくらいの大金を出して、絵画や彫刻を依頼して、作品の制作を委託した。カネに困っていた芸術家は、欣喜雀躍して、ひれ伏せんばかりに、制作を快諾した。 では、制作を委託した側は、出来上がった絵画や...

00238_知的財産権のデフォルトルール:権利は、誰のもの? 作った人? カネを出したスポンサー?

大工さんに家を造ってもらった場合、お金を払えば、当然ながら、出来上がった家は施主の所有となります。 「出来上がった家の所有権は代金支払と同時に施主に移転する」みたいなアホな条項を逐一契約書に記載する必要もありませんし、そんな当たり前なことが契約書に書かれていないことを盾にとって、大工さんが、「施主がこの家の所有者だなん...