00519_賃借人が破産に至った場合、賃貸人が破産を理由に解除することは可能か?

賃借人が破産に至った場合、賃貸人は、賃料の支払いが見込めないことから解約を申し込めるでしょうか。 この点、旧民法には、賃借人の破産に基づき解約申入れが可能と読める条文がありましたが、破産法の改正に伴い廃止され、現在では、賃貸借契約については、破産管財人のみしか解除できないといった立て付けとなっています(破産法53条1項...

00518_破産手続の概要

会社が経営破綻や重度の経営不振に陥った際に利用される手続きには、破産手続きだけではなく、会社更生手続きや民事再生手続きなどの裁判所における法的手続きのほか、広い意味での倒産処理手続きとして私的整理や倒産ADRなどの手法もあります。 このうち、破産手続きは、「破綻会社の息の根を止めて、わずかに残った財産を清算し、債権者み...

00289_「破産」を申し立てると、実際どんなことが行われるのか

裁判所に破産を申し立てる際、2種類のギャラ(弁護士費用)が必要になります。 申立を代理してくれる弁護士に対する費用と、裁判所に納める費用である予納金と呼ばれるものです。 この予納金は、「管財人」という裁判所が選ぶ別の弁護士のギャラになります。 管財人というのは、文字通り、破産者の財産を管理する人間です。 子どもならとも...

00288_会社が破綻した場合における選択肢

まず会社が破綻した場合とは、1 債務超過(大赤字で借金過多)になったり、2 資金繰りが悪化した(財産はあってもカネが回らない)場合、を指します。 大赤字で借金過多ではなくても、もっといえば、黒字で土地建物や在庫商品等の資産をたんまりもっていても、資金繰りが悪化して、倒産状態に至る場合もあります(いわゆる、黒字倒産)。 ...

00284_会社法に定める「特別清算」を活用する場面

会社法には、清算と破産のハイブリッド型の手続が用意されています。 会社法510条には、「債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態)の疑いがある」場合には、特別清算手続が可能とされています。 この特別清算手続ですが、裁判所の監督はあるものの後見的な監督にとどまり、破産手続のように管財人が派遣されて...

00283_債務超過会社を閉じ(廃業し)たいが、普通に解散・清算ができるのか?

かつて、上場企業の株式を買い集めた某ファンドのトップが「土地やカネをため込んで株主に還元しないなら、とっとと解散して、株主に分配しろ」と主張しましたが、会計上は永遠の生命を持つとされる会社といえども、法律上は株主の都合で何時でも解体することができます。 すなわち、株主が会社を解散することを決めれば、清算手続が開始され、...

00233_企業法務ケーススタディ(No.0189):破産のお作法

相談者プロフィール: 株式会社ダーク・サイレント 代表取締役 佐村 剛史(さむら ごうし、50歳) 相談内容: ご承知のとおり、クラッシックに転向してから、無茶苦茶曲が売れたこともあって、私が作曲した音楽を専門に扱うレコードレーベル会社を7年前に立ち上げました。しかしながら、「私の曲」として発表したものの中で...

00227_企業法務ケーススタディ(No.0182):破産? 解除だ解除!

相談者プロフィール:株式会社鶴龍ビル 代表取締役 鶴見 さんご(つるみ さんご、48歳) 相談内容: 先生、今日はウチのテナントから破産開始決定通知なんてものが来てね、もちろん当社としては金を払えないテナントさんに貸し続ける理由はないんで、さっさと解除するつもりです。破産なんていう決定的な事情があるので、解除...

00141_企業法務ケーススタディ(No.0096):大家さんが破産した!

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:株式会社イレギュラー 社長 松本 強田(まつもと ごーた、30歳) 相談内容: 先生、隣が破産したんですわ。先生、この書類なんですが。ハイハイ、コレ。「破産者ニシカワコーポレーション 破産管財...

00095_企業法務ケーススタディ(No.0049):世間体の問題で破産できない場合の裏技!

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:株式会社ペンタゴン 社長 周恥 雄介(しゅうち ゆうすけ、29歳) 相談内容: いや、恥ずかしい。先生、当社の子会社がどうにもこうにもなんなくて。いえね、当社の子会社で、株式会社テトラゴンって...