01962_判決後の心得

平時に聞くと、「当たり前じゃないか」と思うようなことでも、“訴訟事”の当事者になると、慌てるものです。 たとえば、”訴訟事”において、判決が出たとします。 まず、すべきことは、「即時抗告の期限」の確認です。 これこそ、 「当たり前じゃないか」と思うようなことでしょうが、“訴訟事”の当事者になると、意識が届かないのが実情...

01959_訴訟を起こす前のジレンマとその解消法

訴訟を起こす前(あるいは、訴訟を諦める前)、人は、次のようなジレンマに陥ります。 1 (訴訟を起こす)踏ん切りはついている2 「踏ん切り」が「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」されていない3 明確化・形式化・フォーマル化という点での「踏ん切り」がついていない4 (陰で悪口はいえても)風化する、泣き寝入り...

01916_主張立証における留意点

1 事実に関するファクトレポート 留意点1 5W2H形式で書き記す留意点2 修飾語や副詞などの形容表現は一切厳禁(*) (*)「たくさん」「いっぱい」「非常に」「一生懸命」「がんばった」等、形容詞等を使うと、簡単でラクですが、裁判所では、事実を語っていない、ウソ、虚偽と同等に扱われます。業務日報のように、客観的で端的で...

01894_訴訟事案の法律相談を予定する相談者が、事前に予習しておくべき事柄

裁判というゲームについては、戦う云々以前に、ゲームのアーキテクチャ(構造)・ゲームのロジック・ゲームのルールについて、致命的な誤解があり、これが解消しないまま、空回りを続け、惨敗する、というケースが多いと思います。 著者は四半世紀以上訴訟弁護をしていますが、一般のクライアントのみならず、一部弁護士ですら、闘争環境の無知...

01889_民事訴訟における展開推移の予測

訴訟における展開推移の予測をする上で、裁判官の認定傾向を推察することもあります。 たとえば、当方が取り得るべき選択肢を4つ挙げるとします。 1 当事者の関係性はすべて書かれたもの通り:  契約書で書かれた内容が全てであり、契約書に書かれなかった内容は一切事実として認めない 2 「書かれたもの」は主であるが、従たるものと...

01888_訴訟を提起する側の怒り

訴訟を提起するために、相談者が自身の体験した事実をミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化するにあたって、 あいつは臭いあいつはむかつくあいつはひどいやつだあいつは昔悪かったあいつはこんなせこいやつだ と、訴状に書くよう弁護士に依頼したとしても、弁護士としては、依頼者の気持ちはわかるが、ストーリーを混線させる要...

01887_訴訟に必要な3つの要素

1 スジ(法的ロジック:テクニカルエレメント)2 スワリ(経済的社会的実質的妥当性:アーティスティックインプレッション)3 ブツ(証拠) これら3つが揃って初めて「争点が出揃った」といえます。 訴訟を起こす側となっても、訴訟に起こされる側となっても、これら3つを揃えなければならない、ということです。 裁判所は、3つのア...

01886_「パワハラされたので企業相手に訴訟を起こしたい」という法律相談を行った方への、「戦争遂行意思(困難な戦いに挑み、戦い抜く覚悟)」を確認するメールのサンプル

【相談者】様 【相談者】様において、「相手方社長からのパワハラを理由として、相手方社長及び相手方会社に対する訴訟を提起することを検討する」という状況をお伺いしました。 当職として、もちろん、訴訟事件として受任し、同事件を遂行していく所存です。 ただ、その前提として、プロフェッショナルとして行うべきインフォームドコンセン...

01884_裁判所の出す和解のサインを読み解くには

裁判官は常に「ジェントルでエレガントで、何を言っているのかさっぱりわからない言い方」をします。 「東大卒の知的で穏やかな紳士だけにしかわからない、奥歯にものの挟まった言い方」というものが、世の中には存在します。 だからこそ、和解のチャンスや和解のサインを見逃すのです。 要するに、和解について、裁判所の出すサインはわかり...

01813_弁護士の手の内

有事になると、弁護士は、以下のように事項を因数分解し、戦略を練る準備をすすめていきます。 1 戦略立案環境 1)コミュニケーション環境 (1)電子メール(2)携帯電話(3)FAX 2)情報環境(状況認知・観察) 3)思考環境(論理則や経験則やリテラシーの実装)(1)法的三段論法 ・大前提:規範特定(法律にはこう書いてあ...