02079_弁護士が語る、民事紛争問題における決意と現実

民事紛争を前にしたとき、弁護士からの見解が
「否定的」
に感じられることがあります。

しかしそれは、
「協力しない」
という意味ではありません。

「困難な状況でもクライアントが覚悟を持って臨むなら、弁護士も全力で支援する」
という姿勢の表れです。

特に複雑でハードルが高い案件であっても、クライアントが意欲を示し、必要な費用や時間を投入する覚悟を持つなら、弁護士はその覚悟に応える準備があります。

当事務所は、紛争対応において真摯であることがクライアントの利益に繋がると考え、常に情緒やバイアスを交えずに、専門家としての経験とスキルに基づいた率直な意見をお伝えすることを方針としています。

民事紛争においては、いくつか注意すべきリスクがあります。

1つ目は、戦略目的が曖昧であることです。
目的が明確でない場合、クライアントと弁護士の解釈がずれやすく、バイアスが働いて信頼関係が壊れてしまうことも少なくありません。

2つ目は、「相手を圧倒して戦意喪失を狙う」といった漠然とした期待です。
紛争において「やってみなければわからない、やれば何とかなる」という楽天的な考えは、現実的な対応とは言いがたく、リスクの要因になります。

3つ目は、その場の「感情」や「空気」によって影響される作戦です。
これに流された作戦は、ロジックに欠け、失敗する可能性が高いといえます。

このように、弁護士が関与する際には、クライアント側にも状況の厳しさと、紛争が必ずしも経済的に報われるわけではないことを理解していただくことが重要です。

また、経済合理性を重視するならば
「あきらめる」
「泣き寝入りする」
という選択肢も存在することを踏まえておく必要があります。

とはいえ、クライアントが
「一矢報いる」
という強い覚悟を持ち、長期戦とそれに伴う時間・コスト・エネルギーの投入を惜しまないのであれば、弁護士もその真剣な覚悟に応える姿勢でサポートに臨みます。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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