01784_財務省の奇策_請求認諾による訴訟の強制終了

森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんが原因で自殺した財務省近畿財務局の元職員、赤木俊夫氏の妻が、国と同省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を求めた事件で、2021年12月15日、大阪地裁で国が、「請求認諾」という奇策を使って、約1億700万円の損害賠償責任を認め、訴訟を強制終了させてしまう、という事件が...

01778_11歳からの企業法務入門_11_トラブったとき(約束に違反しちゃったとき、約束を破られたとき)の対処(3)_裁判でケリをつける方法

裁判になる前に、お互い、冷静になって、話し合って、譲り合って、あきらめ合って、ギブアップし合って、解決出来るならいいのですが、和解や示談といっても、しょせん、相手が同意しなければ成立しない話ですし、やっぱり、そう簡単に同意してくれません。 人間の本質として、冷静に話し合って、譲り合って、あきらめ合って、ギブアップし合っ...

01771_11歳からの企業法務入門_4_法律も、契約も、「書いていないことは何をやっても自由」と考えてよく、ワルとズルの味方

法であれ、契約であれ、小難しい言葉で書かれた文書ですが、「あれをしろ、これをしろ、と窮屈に人をしばりつける厄介で面倒なモノ」と思うかもしれません。 しかし、「本当に法律をわかっている、知恵のある人間」は、そうは考えません。 法であれ、契約であれ、「あることを守るように約束させられた」というものですから、これを逆に捉えれ...

01697_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)8_法は「日本語」ではない(後)

2 民法の「善意」の意味 大学等で民法を学ぶと、かなり最初の方に勉強する、94条「虚偽表示」という条文があります。 かつては、通謀虚偽表示といわれた条文でしたが、通謀性が欠如する虚偽表示をも取り込む趣旨から、最近では、 「通謀」が取れて、単に「虚偽表示」と呼ばれるようになった条文です(私個人としては、「相手方と通じてし...

01696_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)7_法は「日本語」ではない(前)

1 会社法の「社員」の意味 法律、といってももちろん日本の法律ですが、これは日本語として、普通に理解していいのでしょうか?  ここで、例をとって考えてみます。 滋賀県から東京の大学に進学し、東京で就活をしていたA子さんですが、希望の就職先が全滅で、夢破れて地元の滋賀に帰ってきました。 民間会社で適当なところが...

01695_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)6_法が非常識であり、法と倫理は別物であること(後)

2 「法」の世界~客観的ルールが整備され、自由が保障された世界~(承前) 適正手続の保障を定めた憲法31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」についてみてみましょう。 この条文は、カタギの方にはほとんど縁がなく、「チエのある厄介者」が頻繁に使うもので...

01694_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)5_法が非常識であり、法と倫理は別物であること(前)

1 法は非常識である 言われてみれば当たり前のことですが、「法律」は、「道徳」や「常識」や「倫理」とは別物です。 ちょっとした違いどころか、まったく違う、まったくの別物です。 これは、「法律」の意味内容と、「道徳」や「常識」や「倫理」 がズレることを意味します。 さらにいえば、法律が「健全な道徳」に反する帰結をもたらし...

01692_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)3_人は、生きている限り、法を犯さずにはいられない(後)

1 すべての法律が、「一義的な理論によって説明しうる絶対的・普遍的・ 科学的法則に基づくもの」といえるか? そもそも、法律自体、理論や科学で説明できるものではなく、合理的な装いをまとった宗教に近い、単なる価値の体系であり、わかりやすく、身も蓋もない極論でいってしまえば、偏見の集積であり、特定のイデオロギーに過ぎません。...

01691_🔰企業法務ベーシック🔰/企業法務超入門(企業法務ビギナー・ビジネスマン向けリテラシー)2_人は、生きている限り、法を犯さずにはいられない(前)

1 人間は人工知能やロボットではなく、本能をもつ「動物」の一種である 人間は、生きている限り、法を犯さずにはいられません。 これは、歴史上証明された事実です。 「人間が生きている限りどうしても法を守れない」「人間が生きている限りどうしても病気や怪我と無縁ではいられない」 こういう厳然たる事実があるからこそ、医者と弁護士...

01565_ウソをついて何が悪い(15・完)_「ウソついたら、ハリセンボン級のペナルティ(重罪犯か罰金100億円)」のアメリカその3・終

ディスカバリーで、膨大な資料をめでたく提出できても、まったく安心はできません。 提出した後の方が、もっと大変です。 提出されたこれらの資料に基づいて証言録取(デポジション:deposition)という手続きが行われます。 海外の法廷ドラマで、証人に宣誓をさせた上で、面前に三脚に乗せた小型カメラを設置し録画しながら、凄(...