01189_ガバナンス法務>企業の組織運営・内部統制に関する個別法務課題>ガバナンス法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>ビジネスジャッジメントルールとその限界

会社法上、ビジネスジャッジメントルール(経営判断保護の原則あるいは経営裁量保護の原則)と呼ばれるものがあります。

これは、アメリカ合衆国における会社法裁判例として集積され確立されてきた法理ですが、
「取締役が業務執行に関する意思決定の際に適切な情報収集と適切な意思決定プロセスを経たと判断されるときには、結果として会社に損害が発生したとしても、裁判所が事後的にその当否を判断し、善管注意義務違反の責任を問わない」
とするもので、日本の判例法理としても確立し、実務に定着しています。

すなわち、これは経営幹部の意思決定に仮に過誤があったとしても、後日の裁判で、いわゆる“後知恵”での責任追及をしないという法理であり、この法理があるため、萎縮することなく積極経営に邁進できるので、経営幹部はあまり不安にならなくていいと考える向きもあります。

しかしながら、このビジネスジャッジメントルールは、法令違反を含む経営意思決定には適用されません。

トップマネジメントとしては、やはり
「自らの経営意思決定が法令に抵触しないか」
という点については、緻密な情報収集と意思決定プロセスを踏まなければなりません。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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