00259_公益通報者保護法が企業経営に与えるリスク

談合、各種食品偽装、品質偽装、リコール隠し等々、最近、企業内部の不正が多く報道されるようになりましたが、これらの不祥事報道のきっかけのほとんどが企業の従業員等の内部告発によるものだと言われています。

そして、このような内部告発した従業員が、後に解雇されたり、職場で様々な不利益を受けることもよく知られた話です。

企業のこの種の報復から内部告発者を守るため、2006(平成18)年4月に公益通報者保護法が施行されました。

ちょっと前まで、企業内で秘匿されている
「表立っては言えないような事情」
を口外しないことは従業員のモラルとされ、逆に、その種の事情を口外するときは辞職覚悟で行うものとされていました。

しかし、この法律により、
「企業内部の不正を公表するには、辞職を覚悟しなくてもいい」
という新たな企業文化が確立されました。

企業としては、
「コンプライアンスの観点上、企業内不正の密告は奨励される」
という理屈が法制化されたことを理解しなければならず、
「この対策を怠ると、信じていた身内からの裏切りにより簡単に企業組織が崩壊すること」
を認識する必要があります。

「公益通報者保護法」
というと、法律の内容とか企業経営へのインパクトとかが今ひとつピンとこないかもしれませんが、わかりやすく言うと、企業内不正密告免責法とか企業不祥事密告奨励法と言い換えれば、企業にとってどのくらい気をつけなければいけない法律か、ビビッドに理解できるのではないでしょうか。

特に、違法なことをやっている企業、そうでなくても、グレーなことや、やましいことや、外聞の悪いことをやっている(これらは、厳密に観察すると大概、違法行為だったりするわけですが)企業は、かなり真剣にチェックしておくべき法律です。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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