00340_個人情報保護法の制定背景:努力指針から法的義務へ

一昔前であれば、個人情報の保護など全く意識されず、各種学校の名簿なんかがごく普通に名簿業者に売買されていました。

会社の従業員も、カネに困ったら、小遣い稼ぎのために会社の顧客名簿を売りさばき、バレたところで、ちょっとお叱りを受ける程度で済んだ牧歌的な時代もありました。

しかし、高度情報化社会が到来した現代にでは、各種企業が保有する顧客データなどの膨大な個人情報は、情報処理技術などの発達により、その蓄積、加工、編集などが簡単に行えるようになり、一旦漏洩すると、インターネットなどを通じて、これら個人情報が一瞬で世界中を駆け巡りました。

さらに漏洩した個人情報は、オレオレ詐欺やフィッシング詐欺といった、個人情報を用いた新手の犯罪に使われるようになってきました。

そこで、2005(平成17)年に個人情報保護法が全面的に施行され、個人情報などを扱う企業は、従業員に個人情報などを扱わせるに当たり、個人情報の安全管理のための必要な監督義務が課されるようになりました。

その結果、個人情報の保護は単なる努力指針ではなく、法律問題・経営課題として意識されるとともに、個人情報を漏洩させた企業に対しては厳しい責任追及がなされるようになってきています。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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