00480_一定の能力を前提とした即戦力型中途採用者の解雇

雇用関係は婚姻関係と同じで、
「結婚は自由、離婚は不自由」
というのと同様、
「採用は自由、解雇は不自由」
です。

すなわち、人ひとりクビを切ろうとすると、
「客観的合理的理由」

「社会通念上の相当性」
というおよそクリアできない法律上の要件が課されてしまい、この高いハードルを乗り越えるのはほぼ不可能です。

しかし、これは新卒採用などの場合にあてはまることであって、特定の能力を前提として即戦力になることが期待されている中途採用者の場合は、解雇に対する制約は比較的緩やかになる、ということは意外と知られていません。

実際に、人事本部長という地位を特定した雇用契約を締結して、特定の能力発揮を期待されて中途採用された人物が、人事本部長という地位に要求された業務の履行または能率が極めて低く、就業規則中の
「雇用を終結しなければならないやむを得ない業務上の事情がある場合」
として、会社による解雇が認められた裁判例があります(フォード自動車事件)。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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