00570_裁判所提出書面への「読ませる工夫」:(2)修飾語やレトリックは「法曹禁止用語」としてなるべく使わない

素人の方からは意外に思われるのですが、弁護士は事実を語るのであって、相手を非難するのが活動の本質ではありません。

裁判所としても、事実に基づいてどちらかの当事者を勝たせるのであって、人間性や雰囲気や印象によって勝ち負けを決めているわけではありません。

その意味では、書面に
「不当」
「非常に公平を欠く」
「誠実とはいえない」
「明白に虚偽といえる」
「明らかに矛盾する」
等修飾語を書きつらねられても、裁判所としては困るわけで、
「何時、誰が、どこで、どのようなことを、何回した」
から
「不当」
というのか、評価の根拠となるべき事実を知りたいのです。

裁判官の中には、当事者の書面から修飾語を、意識の上で墨塗りして読む人もいると聞きます。

ですが、いちいち墨塗りさせる手間をかけさせるのもよろしくないので、
「評価の根拠となる事実を書かず、華麗な修飾語やレトリックで相手の揚げ足を取るような文書」
は控えた方がいいでしょう。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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