00414_欠陥商品を販売して重大な損害が発生した場合の店舗の責任

わが国においては私的自治の原則が支配しており、私人間の法律関係は、それぞれの個人が自由意思に基づいて形成できるとされています。 この原則を支えるものとして、過失責任の原則というものがあり、自分の意思に基づく行為(故意)や、あるいはミスによって(過失で)行ってしまった行為以外については、なんら責任を問われないという原則が...

00413_コンピュータ・プログラムを「買った」と思い込んでいる企業のリスク

著作権法は、特許のようにアイデアを直接に保護するものではなく、人の心を揺さぶる創作的な表現を保護することを目的としています。 したがって、著作権法が保護する著作物というと、絵画や小説といったものが思い浮かびますが、「0」と「1」の無個性の記号の羅列であるコンピュータプログラムにも著作物性が認められることがあります。 す...

00412_ボリュームディスカウント(たくさん買うから安くしろ、という値下要求)の下請法抵触基準

下請業者に対する発注数量が、当初の予定よりも増えた場合には、その分価格を下げてもらう(ボリュームディスカウント)ことにも合理性が存在するところです。 そこで、公取委は、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」において、例外的に、ボリュームディスカウントについて以下のような要件を定め、これらを充足する場合には、割戻金...

00411_下請法(下請代金支払遅延等防止法)の内容と射程範囲

市場において価格と品質を自由に競わせる原理(自由競争原理)は、資本主義経済体制を採用するわが国において、国是ともいうべき重要なドクトリンです。 とはいえ、自由競争も、度が過ぎれば「一部の強大なプレーヤーが市場を勝手に操り、自由競争の基盤を破壊して、かえって経済の発展を困難にする」という弊害を招きます。 そこで、法は、「...

00410_「直接雇用した労働者」以外の者が怪我した場合でも企業が責任を負う場合

安全配慮義務は、長らく労働者と直接の雇用主の間にのみ発生する義務であると考えられてきました。 ところが、近年、「注文者が、単に請負人から仕事の成果を受領する」だけでなく、「実質的にみて、注文者が、請負人所属の労働者から、直接労働の提供を受けているのと同視できる」形式の契約も登場するようになりました。 このような産業社会...

00409_工場や職場でけが人が出た場合に企業が負うべきリスク・責任

雇用契約では、雇用主は、「賃金さえしっかり支払ってさえいれば、それ以外の義務は特段負う必要はない」と考えるのが自然かつ素直な理屈といえます。 しかし、世の中には、労働者の生命や身体に危険を及ぼす可能性のある危険が伴う労働があることから、雇用主はこのような危険から労働者の生命や身体を保護すべきである、との考え方が広まって...

00408_ネガティブ・オプション(送りつけ商法)で消費者が商品を使ってしまった場合の契約法上の取扱

消費者が気ままに商品を使ってしまった場合も、契約が成立することはなく、会社は常に代金を求めることができないことになるのかといえば、そうでもありません。 この点、消費者の中には、気に入った製品がたまたま送られてきたと思い、満足して利用する者もいるでしょうし、そこまでいかなくとも、少し怪しいけれど使ってみたらなかなか良くて...

00407_ネガティブ・オプション(送りつけ商法)の問題点

一方的に商品を送りつけて消費者に購入をさせることを、「送りつけ商法」とか「ネガティブオプション」とかいいますが、少し前にはやりました。 ここでは、売買契約が成立しているのかどうかがまずは問題になります。 この点、民法上の契約は「申し込み&承諾」という当事者の意思の合致によって成立するのが大原則のため、商品を送りつけた段...

00406_うっかりインサイダーを予防する究極テクニック

うっかりインサイダーのようなチョンボを防ぐには、会社内部の重要事実をとっとと公表しておけばいい、ということがいえます。 すなわちインサイダー取引とは未公表の重要事実を知って取引することですから、重要事実を内部にため込まず、タイムリーに開示しておけば「ズル」だの「抜け駆け」だのといわれることがなくなる、というわけです。 ...

00405_うっかりインサイダーとは

インサイダー取引というと、「金儲けに異常に執着する犯罪的人格の所有者が暗い情熱と周到な計画の下に犯罪を実現する」というイメージがあるかもしれません。 しかしながら、会社において「重要事実が発生した」との自覚がないため、連携不足のまま、財務部門がせっせと自社株の購入を行ってしまい、結果、インサイダー取引規制に違反してお叱...