01497_弁護士を上手に使いこなすためのTIPS(コツ)

弁護士業という生業は
「時間」
という資源を切り売りして成り立っています。

したがって、弁護士は切り売りする唯一無二の商品である
「時間」
を常に意識せざるを得ず、したがって
「超のつく『時間貧乏』」
でもあるということです。

準備も資料なく弁護士を訪問し、ゆっくり時間をかけてこちらの話をしようとしても、経緯を話すだけで相談時間が終わってしまいます。

もちろん、その時間の相談料ないしタイムチャージは取られますが、これは時間を切り売りして生活をする弁護士としては、やむを得ない措置なのです。

そもそも法律相談に限らず、
「事情を知らない第三者に、自分しか知らない固有の事情を前提に相談する場合、事前に説明資料を用意して、現場では短時間で端的に説明する」
というのは、当たり前といえば当たり前です。

ロクな準備をせず、手ぶらで雑談でもするかのような体で、クソ忙しい時間貧乏のプロに相談をもちかけ、貴重な時間をさんざん奪っておきながら、
「なんですぐ私のことをわかってくれない!」
「準備不十分で、説明に時間がかかったからといって、カネを取るのか!」
と逆ギレする方が非常識です。

とはいえ、世の中には、
「事情を知らない第三者に、自分しか知らない固有の事情を前提に相談する場合、事前に説明資料を用意して、現場では短時間で端的に説明する」
という当たり前のことをできていない非常識な人間が圧倒的に多いのも現実です。

もちろん、慣れていないということもありますが、日本人一般に
「事情を知らない第三者へ自分の事情を説明すること」
が圧倒的に下手くそだからです。

よく
「日本人は英語が下手」
といいますが、発音や抑揚ではなく、
「知らない文化圏の人に対して、自分のことを相手の理解力や受容能力や理解の前提となるバックグラウンドに即応して、手際よく伝えること」自体
が苦手だから
「英語が下手」
につながるのです。

「英語でのスピーチは無理!」
と敬遠する日本人は、なにも英語に限らず日本語でのスピーチでも苦手なはずです。

要するに、この現象は、
「言葉の問題」
ではなく、
「コミュニケーション能力」
の問題なのです。

これが法律のトラブルとなると、もっぱら過去の事実を整理して伝えることになります。

「5日前の昼飯は何を食べたのか教えて?」
と問われたら、たいていの人は絶句します。

過去のこととなると、そんな直近の現象すら思い出すことが大変なのですから、
「長期間かけて行き違い、勘違い、思惑違いが醸成されていった経緯全体を整理して要領よく話すことに困難を覚える」
という状況は気持ちとしては理解できます。

ですが、事実や経緯の正確な把握ができないと話は全く前に進みませんので、時間貧乏の弁護士の先生に無駄な負荷をかけず、そして相談費用を合理化するためにも、相談に行く前に過去の事実をきちんと思い出し、主観を交えず簡潔に整理して、関係資料も事前に整理して持参することを是非行っていただくべきと思います。

もちろん、生い立ちや会社の設立経緯などは不要です。

自分が、トラブルになった取引や人間関係が形成された起点あたりから経緯をまとめれば十分です。

弁護士費用は一般的に高いと思われるかもしれませんが、弁護士にとっては
「時間」
が唯一の資源で、これを切り売りする職業だからこの前提は変えようがありません。

この点は、所与として受け入れるほかなく、逆にこういう正当でフェアにやりとりすべきところで妙なケチり方をすると後でとんでもないしっぺ返しを被ることもありますので、そのあたりは十分考慮する必要があります。

それでも弁護士費用を下げたいのなら、
「資料を作り込む」
などの工夫が必要でしょう。

弁護士さんとしては気持ちや心意気で仕事をしている方も相当いらっしゃいます。

きっちりコミュニケーションが取れ、
「なんとかしてあげたい!」
という気持ちがあり、各種手続きを行う際に、自分の事情をまとめることをきちんと依頼者サイドで行って、弁護士の時間や負荷を軽減してくれる
「良き依頼者」
であれば、ディスカウントや分割払いアレンジもしてくれる、そんな良心的な方がいらっしゃいます(例えば、「安かろう悪かろう」の弁護士に荷が重すぎる事件を依頼して失敗する、着手金段階できっちり精算される、安い分だけ手を抜かれるか切所で踏ん張りが効かず適当にギブアップされてしまう等)。

費用が高い、納得できない、安くしてほしい、ということも、理由がある場合はその旨を伝えれば、きちんと回答をもらえるはずです。

そうしたところも含めて柔軟にコミュニケーションを取って、本音ベースできっちりやりとりをしておくべきです。

費用や報酬の話は非常に大切です。

おろそかにせず、フェアで、双方納得感のある、きちんとしたディールを行うことが求められます。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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