01507_倒産間際の会社で整然としたところはない

経営再建を依頼された経営コンサルタントや、(もはや再建が不能となって)企業の破産や民事再生の申し立てを依頼された弁護士が、書類レビューのあと、本格的に作業着手するに際して、まず実施するのは、当該会社の訪問です。

むろん、現場視察によって会社の事業内容や活動の実際を把握しておくということが主たる目的ですが、倒産手続などを申し立てる弁護士においては、各種法的手続きに必要な書類を直接探してもってくる、ということも会社訪問の重要な目的です。

そして、実際、倒産間際の会社に行って必要な書類を探そうとしても、どの会社も整理整頓が全くできておらず、大変な目に遭います。

工場を持っている会社に行くと、
「よくこれで事故が起こらないな」
と感心するくらい設備や仕掛品や工具・器具が散らばっていますし、倉庫を見ても、出荷されるものと不良在庫と返品されたものがぐちゃぐちゃバラバラになっていて、まさしく
「カオス」状態
なっています。

またオフィスに赴いても、全体的に雑然としています。

とくに、紙やファイルがそこら中に氾濫しており、各スタッフのデスクやキャビネットを見ても仕事に関係なさそうなものやどういう使い方をしているかわからない事務用品や文具が混在し、
「ごみ屋敷」
の様相を呈しています。

倒産間際の会社の社長室などの経営幹部の個室に行くと、これがまたひどい状況になっています。

書類やファイルは、キャビネットに整理されておらず床に平置されていて、検索効率が悪くなっています。

そしてキャビネットを開くと、書類が無茶苦茶なツッコミ方をしていて、その中に、会社の定款や税務申告書類や各種契約書原本や手形帳といった重要書類が無秩序に混在しています。

また、倒産間際の会社の社長室などに至っては、
「重要書類が段ボールに入れて管理されている」
という特異な状況も見受けられます。

逆に、儲かっている会社や成長している会社には、上記のような雑然な状況とは一切と無縁で、きれい好きが行き届いているのか、商品も器具も書類も整然と整理されています。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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