01566_「『特定手続に関する、非公知の情報や特別の知見や特殊なシキタリ』なるものがあるはず」と愚かにも盲信し、その種の裏技をしつこく求めるクライアントへの“説教”メール_助言メールサンプル

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XX様

お話の概要、拝承しました。

お話をお伺いする限り、XX様の現状は、
「このゲーム性顕著なプロジェクト(「一定の手続きを踏めば、希望の結果が必ず出るような事務ルーティン的な事案」ではなく、「結果が、すべて蓋然性に左右される」という程度の意味です)を、よく理解せずに、素人考えで、甘く、軽く考えて、専門家に相談せずにおっ始められた挙げ句、ドツボに嵌まり込んでいる」
という印象を持ちます。

確か、●●●の段階では比較的自由に●●●できるはずですが、一旦、●●●を●●●すると、●●の変更は極度の難事になる、と理解されています。

この「難事」を「難事」と正しく認識・理解・評価できないまま、楽観バイアスに罹患して、素人判断で安易かつ雑に手続着手したことが、現下の悲惨な状況を招いたグラウンドゼロ(爆心地)と思料します。

XX様は、本手続について、
間違った認識、
間違った評価、
間違った展開予測、
間違った選択、
をしてしまった挙げ句、構造的な欠陥を抱えている可能性が濃厚です。

構造的な欠陥は、根源的原因を正しく認識、評価、理解し、そこをたださない限り、何をやってもうまく改善できません。
一瞬、うまくいきそうなこともあるかもしれませんが、構造や本質は必ず露呈し、長期的・最終的には必ず足を引っ張ります。
下りのエスカレーターを上るのと同様です。
一瞬うまくいっても、持続可能性がなく、いずれ、ダラダラと下がっていきます。
構造的欠陥は、小手先や表層的な技術で修正できないのです。

そもそもの前提に立ち返って、本手続について、認知不全がないか、評価や解釈の誤りがないか、冷静かつ客観的な検証が必要と思います。

なお、小職は、
「オープンソースの情報・知見を所与とし、これに基づき認識把握されるゲームロジック、ゲームルール、プレースタイルを前提とする、法的ゲーム」
については、四半世紀のキャリアがあり、相応の自信がございます。

しかしながら、
「特定手続に関する、非公知の情報や知見やシキタリを前提とする、裏技、寝技、小技、反則技、奥の手、禁じ手、と言ったプラクティス(そのような代物が、法治国家の我が国において存在するとは思えませんが、仮に存在するとして)」
には、長けておりません。

すなわち、
「法と論理と理性を前提に、
正しい状況認知、
正しい状況解釈、
正しい目標設定、
正しい課題の発見・抽出、
正しい試行錯誤、
を基礎にしたロジカルで効果的なゲームの構築と実践を依頼される」
ということであれば、小職としては、控えめにいっても、相当な自信がございます。

しかしながら、
「●●●案件」
という特定事象における、(そのような代物があるとして、という前提で)非公知の情報や特別の知見や特殊なシキタリなるもの
を期待されても、全くお役に立てないと思います。

なお、
「訴訟の帰趨が特定の弁護士の選任によって決定づけられるような『一般の弁護士には知られていない、特定の専門的な弁護士にだけ知られている、訴訟に勝利をもたらすような高い価値と決定的な意味を有する、 特定の知識や専門性や秘密の情報』」
といった類のものについてですが、(下品な独裁国家ならいざしらず)洗練された法治国家たる我が国においては、小職は、都市伝説や迷信に過ぎず、そのようなものは、日本の司法の分野には全く存在しない、と思っております。

そして、本件につきましても、XX様の独善的希望を叶えるような、
「訴訟の帰趨が特定の弁護士の選任によって決定づけられるような『一般の弁護士には知られていない、特定の専門的な弁護士にだけ知られている、訴訟に勝利をもたらすような高い価値と決定的な意味を有する、 特定の知識や専門性や秘密の情報』」
は全く存在しないであろう、と考えます。

本件について、上記のような情報の提供ないし実践を私に期待されても、全くお役に立てない可能性がありますこと、あらかじめご了承下さい。

ちなみに、
「訴訟の帰趨が特定の弁護士の選任によって決定づけられるような『一般の弁護士には知られていない、特定の専門的な弁護士にだけ知られている、訴訟に勝利をもたらすような高い価値と決定的な意味を有する、 特定の知識や専門性や秘密の情報』」
といった類のものは、ひょっとしたらあるかもしれませんが、あるにしても極めて少ないもの(か、もっと端的には、実はまるっきり存在しない駄法螺やデマカセの類の可能性が高いシロモノ)だと思う、というのが、私の所与とする立場、認識です。

ご参考までに、
00674_「ホニャララの訴訟に強い弁護士」「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」という話の信頼性
をよくご高覧下さい。

畑中鐵丸拝
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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