01897_週刊誌にあることないこと書かれたら_その2_書かれた側の解決思考

週刊誌にあることないことを書かれたとしても、うまく喧嘩すれば勝てるでしょうが、相当なリソースをつぎ込む覚悟が必要になります。

書かれた側としては、
勘定で戦うのか
感情で戦うのか

を、安全保障課題として態度決定しておく必要があります。

書かれた側としては、
「安全保障課題として態度決定」
する前に、何かしなければ、と行動を起こす人(企業)が少なくありません。

要するに、

1 たとえば、それ相応の権威のある機関にお願いして、 仲介してもらって、公的機関との面談の場を設ける

あるいは、

2 国会議員や監督官庁とのネットワークを活用して、上記と同様な場を設定する

ということを試みようとする人(企業)が少なくないのが、実情です。

ところが、それには、落とし穴があるのです。

もちろん、2つとも、トライ自体は特段害はないでしょうが、 弁護士からみると、次のような懸念点があげられるのです。

1について
・そもそも、そんな仲介をして、相手は来てくれるのか
・面談を設定して何を話すのか
・というより、何をゴールとして、面談するのか
・特定のゴールを目指して、面談をしたとして、相手はそれに応じてくれるのか(相手に、こちらのゴール達成に協力をさせる、強制の契機が存在するのか)
・「仲介をして面談に来てもらう」というメッセージ自体、お願い筋の話であり、このようなメッセージを発すること自体、「困っているから助けてくれ」というこちらの状況を伝えるに等しく、相手をいい気にさせ、増長させるだけではないか

2についても同様で、
・いまどき、そんな昭和の香りがするやり方で、相手をやり込められるのか、という疑問
・特に国会議員を動員するのは、
(1)使えない国会議員を動員するのは時間の無駄だし、
(2)力があって使える国会議員を動員するのは反社会勢力に借りを作るのと同じで、たいていロクなことにならない、という経験則
・監督官庁といっても、こちらを味方してくれるのか、という根源的疑問
・こういうショートカット、ファーストトラックを使うのは、本筋できちんとした根拠がなく、正道で戦えないから、邪道を求める、ということが多く、うまく機能せず、結果、相手が、このような動きを察知した上で、なお、さらに、あっかんべーを崩さない、という態度に出た場合、「釘を刺す」どころか、「より、バカにされ、なめられ、軽くみられる」というアイデンティ構築戦略としては、「やらなかったほうがマシ」という悲惨な結果を招くリスクがある

このような懸念点は、当事者はなかなか、気づくことができません。

弁護士は、相談者(顧問先)のさまざまな想定に対し、 俯瞰的にものごとをみ、ありとあらゆるリスクを洗い出し、最善解により近い戦略をたてるお手伝いをします。

結局のところ、まず最初にすべきは、いろいろと試みることよりも、
勘定で戦うのか
感情で戦うのか

を、態度決定をすることが必要なのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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