01963_「ホニャララの訴訟に強い弁護士」「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」の紹介を依頼をする前に考えるべきこと

「ホニャララに強い弁護士」
「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」
というのは、弁護士の営業文句としてのファンタジーであり、属人的な選任で決定するような要素は極めて少ない、 と考えます(著者の四半世紀を超える程度の実務経験によりますが)。

訴訟や紛争事案対処というプロジェクトの特徴は、
・正解が存在しない
・独裁的かつ絶対的権力を握る裁判官がすべてを決定しその感受性が左右する
・しかも当該裁判官の感受性自体は不透明でボラティリティーが高く、制御不可能
というものです。

「正解が存在しないプロジェクト」
で、もし、
「私は正解を知っている」
「私は正解を知っている専門家を紹介できる」
「私のやり方でやれば、絶対うまくいく」
ということを言う人間がいるとすれば、それは、
・状況をわかっていない、経験未熟なバカか、
・うまく行かないことをわかっていながら平然をウソをつける邪悪な詐欺師
のいずれかです。

そもそも
「“絶対的正解が存在しないプロジェクト”と定義された事案」
については、正解を探求したり、
「正解を知っている人間」
を探求したりする、という営みは、全てムダで無意味です。

何しろ、
 「絶対的正解が存在しないプロジェクト」
と定義された以上、
「正解」

「正解を知っている人間」
は絶対見つからないのですから。

この場合、
「正解」
はありませんが、現実解や最善解なら想定・設定可能なはずです。

まず、
・(ひょっとしたら、プロジェクトオーナーにとって腹が立つような内容かもしれませんが)現実解・最善解を想定・設定し、
これを目指して、
・プロセスを設計・構築・実施するための協働体制を描けるか、
・感受性や思考や行動が予測困難なカウンターパート(相手方)である敵と裁判所という想定外要因が不可避的に介在するため、ゲームチェンジ(試行錯誤)も含めて、柔軟な資源動員の合意を形成できるか、
という点において、関係構築の是非が問われるべきかと思います。

「ホニャララの訴訟に強い弁護士」
「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」
を紹介依頼をする前に、まず、
・正解がないプロジェクトであることを受容できるかどうか

・現実的な相場観としてどういうゴールを描いているか
・どういう協働体制を描いているか
・想定外要因に対する現実的な認識形成できるだけの思考の柔軟性や新規探索性・新規開放性や情緒の安定性といったチーム内のメンタリティが形成構築できるか
・柔軟な資源動員の合意が形成できるか(長期滞留型の消耗戦となることが想定されるが、その場合に適切な稼働費用を捻出できるような予算体制が構築できるか)
といった点を確認する必要があります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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