本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ!をご覧ください。
相談者プロフィール:
株式会社升岡コーポレーション 代表取締役社長 升岡 十三(ますおか じゅうぞう、47歳)
相談概要:
上場株式会社のオーナー社長である相談者は、過半数とまではいかないまでも、ほとんどの株を有しています。
最近、13人いる取締役たちのなかで、会社方針に反乱する話が水面下で飛び交っていることを知りました。
相談者は、取締役会でねじ伏せようと息巻いています。
以上の詳細は、ケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ! 【事例紹介編】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1: 意外に簡単にできる会社のクーデター
取締役は株主総会で
「選任」
され、代表取締役は取締役会において取締役の中から
「選定」
されます。
代表取締役から代表権を引き剥がすこと(「解職」といいます)も、法律上は、取締役会で行われることになります。
代表取締役が
「解職」
されると、代表権を有しない
「ただの取締役(平取締役、ヒラトリなどといわれます)」
になります。
「ただの取締役」
をさらに
「ただの人」
にするには、自ら辞任してもらうか、株主総会でクビを宣告する(「解任」といいます)必要があります。
以上の詳細は、ケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ!【意外に簡単にできる会社のクーデター編】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2: 特別利害関係を有する取締役
取締役会で、審議するテーマ(法律では「議案」と呼びます)に個人的な利害関係を持つ取締役がいることがあり得ます。
そこで会社法では、特別利害関係のある取締役は、当該議案に関して議決権をもたない、と定めています。
以上の詳細は、ケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ!【特別利害関係を有する取締役】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点3: 代表取締役を解職する場合は、「欠席裁判」OK
「代表取締役の解職に関する議案」(代表取締役から代表権を引き剥がし、タダの取締役にする議案)
が取締役会で出された場合、 判例は、原則どおり、当の代表取締役は議決権なし、としました。
代表取締役が務める取締役会の議長の権限や、取締役会に参加し発言する権利については、明確かつ決定的な裁判例はまだないものの、実務においては、取締役会の公正を期すため、代表取締役は議長の座から降り、取締役会からの退席を要求された場合、退席しなければならないという扱いが多いようです。
以上の詳細は、ケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ!【代表取締役を解職する場合は、「欠席裁判」OK】をご覧ください。
モデル助言:
取締役会でねじ伏せるなどというのは、対処として無意味です。
代表取締役の経営方針に反対し、社長の交代にまで言及があるということは、単なる経営方針の相違にとどまらず、
「社長の解職」
を巡る取締役会の騒動に発展する可能性が十分にあり得、非常にリスキーな状況といえます。
取締役会そのものを開かせないという方法をとることはできません。
取締役会において代表取締役解職議案が出された場合、法律上も実務上も、代表取締役自身は、なすすべはありません。
したがって、事前の対応が何よりも重要になってきます。
取締役会が開かれてしまう前に、代表取締役解職に賛同する取締役がどの程度いるのかを探り、きちんと説得することが何よりも重要です。
以上の詳細は、ケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ!【今回の経営者・升岡(ますおか)社長への処方箋】その1、ケース5:取締役会でのクーデターに注意せよ!【今回の経営者・升岡(ますおか)社長への処方箋】その2をご覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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