00372_M&Aや事業提携等において、「名板貸」責任が発生する具体的場合

名板貸人は、どのような場合に、名板貸人の責任を負わされることになるのでしょうか。 自らの意思に基づいて約束を交わしたわけではない名板貸人に、私的自治の大原則を修正してまで、本来他人であるはずの名板借人が勝手に背負った債務まで弁済させるという重い責任を発生させるわけですから、それなりの要件が要求されます。 すなわち、1 ...

00371_M&Aや事業提携の際に発生する名板貸リスクとは?

江戸時代においては「連座制」なんて制度があり、自分に責任がなくても他人のケツを拭かされるということが当たり前のようにありましたが、近代法制においては「人は自らの意思に基づいた約束にのみ拘束される」というのが基本的な考え方であり、「自らが合意したものでない限り、他人が勝手に締結した契約に拘束されることはない」というのが原...

00316_取締役会の賛同を得るつもりで開始した友好的MBOで、根回し不足で取締役会が造反した場合のリスク

MBO(マネジメント・バイアウト)とは、経営陣による会社買収のことをいいますが、上場にまつわるさまざまなコストを忌避して、創業社長が上場廃止策として実施するケースが増えてきました。 「大変な思いをして上場しておきながら上場廃止にする」など何とももったいない話ですが、逆に言えば、そのくらい上場維持のための直接間接の負担や...

00303_「ファンド協力・支援型MBO」の実体とリスク

MBOとは、マネジメント・バイアウト(Management Buyout)の略です。 英語で表現すると、何だか、物すごく斬新で高尚なことをやっているように思われがちですが、日本で昔からある「暖簾(のれん)分け」のようなもので、要するに雇われ社長がオーナーから株を譲ってもらって独立するという話です。 中小零細の非公開企業...

00269_事業承継を行うべき3つの課題クリアポイント

事業承継のポイントの1つめは、誰に承継させるかという問題です。 かつては、事業承継といえば、身内に承継させるのが相場でしたが、最近では、番頭さん格の役員への承継(MBO)や、事業をそのまま第三者に譲り渡す(M&A)ことも検討されるようになってきました。 ポイントの2つめは、会社法の活用です。 会社法は、非常に使い勝手の...

00268_事業承継を行う必要性と、乗り越えるべき様々な課題

最近、事業承継がクローズアップされてきたのは、戦後創業された数多くの中小企業の後継問題が原因といわれています。 戦後、団塊の世代が多くの中小企業を創業しましたが、間もなくこの世代の経営者が大量かつ同時にリタイヤ期を迎えます。 大抵の中小企業の経営者は、後継のことを考えずに最後まで現場に踏みとどまって、がむしゃらに猛進さ...

00254_チェンジ・オブ・コントロール条項とは

外資系企業と取引すると、チェンジ・オブ・コントロール条項(あるいはチェンジ・イン・コントロール条項)というものを目にすることがあります。 これは、「取引先企業の支配権が合併や買収で変動した場合、相手方企業が契約を破棄・変更できる」という仕組みです。 アメリカなどでは、ソフトウエア会社が顧客企業に特殊なソフトウエアを供給...

00250_M&Aのセルサイドにとって理想の契約書設計戦略:あえて契約書をサイズダウンした方がいいケース

どのような取引のどのような立場であっても、事細かな取り決めを定めた分厚い契約書があったほうがいい、というものではありません。 例えば「M&Aのセルサイド(売り手側)」にとっては、きっちりとした契約書は百害あって一利なしです。 セルサイドにとって最も有利な法的立場は、「現状有姿で、売り逃げる」ことに尽きます。 M&Aの契...

00225_企業法務ケーススタディ(No.0180):質権実行で企業を乗っ取れ!

相談者プロフィール:株式会社ユナイテッド・マーケット 社長 沓川 慎二(くつかわ しんじ、24歳) 相談内容: お、先生、元気にやっとるやんかー。俺も一応元気にやっとるよ。と、思うやんかー?実際はそうでもないんやけど。ちょっとね、大切な取引相手にいやらしい人間が配置されて、冷遇されてるような気もしないでもない...

00224_企業法務ケーススタディ(No.0179):事業承継税制の旨み

相談者プロフィール: 株式会社道井(ミチイ)銀行 人事部 人事課長 汲川 道博(くみかわ みちひろ、43歳) 相談内容: 先生、ご無沙汰! うちの実家、田舎では結構な規模の印刷会社やってるじゃない。このデジタル化全盛の時代でも、田舎だとやっぱり紙媒体の威力ってまだあるみたいで、利益も伸びてるんだ。でも、そろそ...