00010_第三者委員会

第三者委員会の設置は増加する傾向にあります。

2010年9月6日付日経新聞の調べによると、日興コーデイアル証券が有価証券報告書の虚偽記載問題で2006年末に弁護士らで構成する特別調査委員会を設置したことが契機となって、第三者委員会の設置は、2007年を境に急増し、社外の専門家で構成する調査委員会を設置した会社は2006年の5社から2007年は24社に拡大したとのことです。

また、2012年3月23日付株式会社帝国データバンクの調査によると、不祥事や事故などを理由に第三者委員会を設置した上場企業は2007年23件、2008年20件、2009年29件、2010年37件、2011年23件とされています。

他方、このような委員会の設置も、独立性に疑義を呈される場合があります。

会社の主張をなぞるだけの、“お墨付き”を与えるだけの委員会を設置・運営しても、かえって批判を招くだけであり、市場や監督当局(金融庁や証券取引所)に対するアピールに欠けることもあります。

この点、日弁連(日本弁護士連合会)は、
「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」
を定め、上記のような
「“形”だけの独立委員会を作って、会社の主張の“お墨付き”を仮装するような手法」
と批判されないような第三者委員会のモデルを提言しています。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

2010年9月6日付日経新聞の報道によると、東京証券取引所も、
「不適切な会計処理が発覚した企業の上場を維持するか否かの審査を判断するに際して、第三者委員会の調査結果も斟酌するが、その際の委員会のあり方としては、日弁連のガイドラインに沿って運営されたものであることが望ましい」
としているようです。

運営管理コード:CLBP32TO32

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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