00023_「破談したら相手は困るが、こちらは困らない」という強い立場を有する場合の契約交渉戦術

まず、国内契約であれ、国際契約であれ、契約交渉においては、契約締結までは、お互い自己の主張を何の制限もなく自由にぶつけ合うことができます。

したがって、相手が誰であろうが、不本意な内容であれば、誰に遠慮することもなく、交渉を打ち切ってもペナルティーはありません。

例えば、交渉において、こちらが相手の欲するものを独占していて、
「破談したら相手は困るが、こちらは全く困らない」
という状況の場合、交渉上の立場は明らかにこちらが圧倒的に優位です。

国際交渉においても、こちらが技術を有していて、相手がライセンスを欲するという場合などでは、交渉を進める条件として、すべての交渉を日本語によるものとし、相手側に日本語の話せる交渉担当者を要求してもよいわけです。

契約交渉においては、たとえ相手は外国の会社でも、遠慮は一切禁物です。

遠慮したら、その分、相手は土足で踏み込んで半身を入れてきて、あとはぐいぐい体全体を押し込んできます。

交渉上の立場をよく理解認識するとともに、もし、強いバーゲニングパワーを有している状況の場合、これを最大限駆使して、相手のペースに巻き込まれずに、終始主導権を握り、こちらとしてストレスなく自己の要求を伝えられる環境をまず作りましょう。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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