取引相手と目される主体が、コンソーシアム(ある目的のために形成された複数の企業や団体の集まりのことを指します)となっている場合があります。
ですが、このコンソーシアムには、法人格があるのかないのか、一体誰がどのような責任を持って運営しているのか、法的には一義的に明確ではなく、要するに、素姓は明らかではない幽霊とあまり変わりありません。
集団と約束する、ということは、究極の無責任主体と約束することと同義です。
すなわち、当該集団に一定の統治秩序や責任秩序がルール化・法定化されていない場合、
「人格なき社団」
として例外法理による救済を求めるほかなく、
「8、9割は敗訴必至の苦しい状況」
に追い込まれるリスクを背負い込む事になりかねません。
「コンソーシアム」
なる集団ないし組織の法的正体がハッキリしない場合、責任の所在もハッキリしないこととなります。
すなわち、この種の法的な素姓が定かではない団体を相手に取引を進めるということは、
法人格があるのかないのか、
契約上の権利や義務の帰属はどうなっているのか、
誰が代表でどのような機関決定に執行が拘束されるのか、
という基本的取引条件が不明のまま、時間、カネ、リソースをつぎ込むことにほかならず、何も得られず徒労に終わるリスクを負う可能性があります。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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