00357_実績の乏しい「割引」表示をした場合のリスク

景品表示法とは、正式には不当景品類及び不当表示防止法といいます。

消費者は、商品を購入するにあたり、より質の高いもの、より価格の安いものを求めますし、商品を販売する事業者等はそのような消費者の期待に応えるため、他の事業者の商品よりも質を向上させ、また、より安く販売する努力をし、このような過程を通じて市場経済が発展していきます。

ところが、品質や価格などに関して、誇大な広告や過大な景品類の提供が行われるようになると、消費者が誇大な広告に惑わされたり、商品を選択する際に商品の品質ではなく景品の善しあしに左右されるようになり、その結果、質が良く安い商品を選ぼうとする消費者の適正な選択に悪影響を与えてしまい、本来あるべき
「商品の価格と品質による競争」
がなくなってしまいます。

そこで、公正な競争を確保し、もって一般消費者の利益を保護することを目的として景品表示法が制定されたのです。

以上のような趣旨で定められた景品表示法ですが、第4条第1項第2号において
「実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるものであって、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる広告」
等を禁止しています。

具体的には、商品・サービスの取引条件、購入方法などについて、実際よりも顧客にとって有利であると偽って宣伝したりする行為、例えば、過去に定価で販売したことがないにも関わらず、広告などで
「今なら通常価格から1000円引!」
などと表示する行為が
「有利誤認表示」
に該当することになります。

消費者庁(かつての所管官庁であった公正取引委員会から2009<平成21>年9月1日付で消費者庁に移管されました)から、
当該「有利誤認表示」行為
の排除命令がなされ、命令の公表等を通じて対消費者イメージが急激に悪化してしまう場合があります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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