企業は、就業規則を改定することで、従業員に対して一挙に労働条件を変更してしまうことができます。
そして、変更後の労働条件が従前の労働条件よりも労働者にとって不利益なものとなることを、
「不利益変更」
といいますが、このような不利益変更を、就業規則の変更によって行うことも、一般的に可能とされています。
それでは、労働者にいかに不利な条件に変更する就業規則であっても、常に有効なのでしょうか。
この点に関し、最高裁は秋北バス事件において、
「新たな就業規則の変更によって、既得の権利を奪い、不利益な労働条件を一方的に課すことは原則許されない」
が、
「合理的な内容である限り」
許容されるものと判断しました。
すなわち、就業規則の変更による不利益変更に関しては、最高裁のいう
「合理的な労働条件」
を満たすことを条件として、個別の労働者から同意を得ることなく、賃金の減額等をすることができるというわけです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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