00377_「不動産なんて、一度貸したら、自分の所有ではなくなる」と言われる賃貸借契約の特徴

賃貸借契約では、一定の期間が経過すれば、当然に、借りた物を返還しなければなりませんので、もし、借り主が、借りた物を気に入るなどして、一定の期間経過後も、同じ物を借り続けたいのであれば、再度、貸主と交渉し、新たな賃貸借契約を締結しなければなりません。 民法は、「賃貸借の存続期間は、更新することができる(民法604条2項)...

00376_ノーアクションレター制度

ビジネススキームが法令に違反するのかどうかが判断できないような状況であるにもかかわらず、これを確認する手段が一切存在しないとすれば、企業は法令違反を必要以上に恐れてしまい(萎縮効果)、積極的な経済活動が阻害されかねません。 こうした事態を回避するために、規制緩和政策の一環として、ノーアクションレター(法令適用事前確認手...

00375_新規事業立ち上げ時のリスク・アセスメントの手法

企業が新規事業を検討する際、「いかに儲けるか」という積極的な検討課題とともに、「儲ける仕組が法律によって禁止されていないか」という保守的な検討課題が必ずつきまといます。 「これって、なんか儲かりそう!」という魅力的な事業であればあるほど、企業が行き過ぎた営利活動に突っ走らないように、必ず周到に規制の壁が用意されているも...

00374_株式を公開していなくても金商法が適用される場合

金融商品取引法(金商法)は、金融市場における取引が適切な情報に基づき公正に行われるようにするため、金融市場というインフラを用いる企業に厳格な情報開示を求めています。 金商法は、「金融市場というインフラを用いる企業」すなわち、株式公開企業を主な規制の対象とし、当該企業に適切な情報を開示することを要求しています。 株式公開...

00373_「勘違い」「アテが外れた」「想定外」を理由に取引をキャンセルするには?

私法の世界では、「人は自らの意思に基づいた約束にのみ拘束される」というのが原則です。 この原則に照らせば、「勘違いによる契約」は、自分が思ったこととは違うわけですから、「自らの意思に基づいた約束」とは言えませんので、その人はその契約に拘束されないことになります。 そこで、民法95条本文は、「法律行為の要素に錯誤があった...

00372_M&Aや事業提携等において、「名板貸」責任が発生する具体的場合

名板貸人は、どのような場合に、名板貸人の責任を負わされることになるのでしょうか。 自らの意思に基づいて約束を交わしたわけではない名板貸人に、私的自治の大原則を修正してまで、本来他人であるはずの名板借人が勝手に背負った債務まで弁済させるという重い責任を発生させるわけですから、それなりの要件が要求されます。 すなわち、1 ...

00371_M&Aや事業提携の際に発生する名板貸リスクとは?

江戸時代においては「連座制」なんて制度があり、自分に責任がなくても他人のケツを拭かされるということが当たり前のようにありましたが、近代法制においては「人は自らの意思に基づいた約束にのみ拘束される」というのが基本的な考え方であり、「自らが合意したものでない限り、他人が勝手に締結した契約に拘束されることはない」というのが原...

00370_職務発明を企業のモノにするためのハードル

企業が職務発明を自社のモノとして専有するにはいくつかハードルがあります。 まず前提として、職務発明に該当するためには、1 企業等に雇用される従業員が、2 その業務の範囲内において行った発明で、3 現在または過去の職務に属する発明である必要があります(特許法35条1項)。 当該企業等に雇用されていない委託先の別会社の従業...

00369_職務発明制度

特許を受ける権利は、発明を自ら行った者(発明者)に与えられるのが原則であり、法人は発明者にはなり得ないとされています。 したがって、当該発明を自ら行った者が特許申請を行い、特許権を取得するのが通常です。 しかしながら、発明はその技術が高度であればあるほど多大な費用が必要となります。 そして、通常、企業などに所属する従業...

00368_裁判所から、突然、債権差押命令が送られてきた場合の対処法

債権差押えとは、債権者が、債務者のもっている債権を、裁判所の命令をもらって強制的に取り上げ、そこから未払分を払わせる手続のことをいいます。 例えば、金融業者が、債務者に対して公的に証明されている売掛債権(裁判所の判決や公正証書で存在が明らかになっている債権)を有してるにもかかわらず、債務者が四の五のいって支払わないとき...