ある商品が原因となって損害が発生した場合、損害の賠償を請求するためには、民法の不法行為規定(民法709条以下)に従って、被害者側が、加害者の故意・過失などを立証しなければなりません。
しかしながら、当該商品の詳細や製造過程に関する情報はすべて加害者の下にあることから、この故意・過失を立証することは容易ではなく、商品が原因で事故が起きても、消費者は賠償を諦めなければならなかったことも多々ありました。
そこで、このような“消費者の泣き寝入り”を打破すべく制定された製造物責任法(PL法)は、
「製造業者等は、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体または財産を侵害したときは、これによって生じた損害賠償をする責めに任ずる」
と定め、故意・過失を問わず、とにかく商品に“欠陥”があった場合には、有無を言わさず責任を負わせることとしました。
要するに、
「物を製造した以上、その物に欠陥があってこれが原因で損害が発生した場合には、四の五のいわずに全責任を負え」
というものです。
そして、このPL法の適用に際しては、“製造物の欠陥”を、概ね
1 製造上の欠陥
2 設計上の欠陥
3 指示・警告上の欠陥
に分類し、それぞれの項目において適切な安全性を有していたかどうかが判断されることになります。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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