00462_株主総会の意味と位置づけ

そもそも、株主総会というものは、株式会社の基本的な方針や重要な事項について議論して決定する会社の機関の1つであり、会社の実質的な“持ち主”である株主によって運営される会議体組織です。

株主が会社の“持ち主”である以上、会社に関することは、全て株主総会で議論して決定するべきとも考えられますが、実際には、多人数に及ぶことが予定されておりますし、日々の業務についていちいち議論していたのでは迅速性を損ない、ビジネスチャンスを逃してしまいます。

そこで、日々の業務については取締役等の経営の専門家に委ね、株主総会では株主の権利を守ることを目的として、基本的な方針や重要な事項についてのみ議論し決定することとしたわけです(いわゆる「所有と経営の分離」)。

なお、基本的な方針や重要な事項について議論するといっても、多くの株主(特に個人株主)は、株価や剰余金(利益)の配当の有無、その額にしか興味がなく、これまでの多くの株主総会は、さしたる議論もなされずに短時間で終了するというのがほとんどでした。

もっとも、近年では、株価をより高くするために、会社に対し様々な提案等を直接行うアクティビストと呼ばれる株主も多くなり、これらの提案等が経営陣の意思決定に大きな影響を与えております。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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