不正競争防止法2条1項3号は、
「他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡(中略)する行為」
を不正競争と定義し、模倣された者に対し、損害賠償請求や信用回復のための措置(販売差止など)を求める権利を付与しています。
なぜ、このような形態模倣行為を規制するかといいますと、要するに、
商品を開発するには一定の資金や労力が必要となるわけですから、先行してこのような資源を投下して商品を開発したものを保護し、資源を投下することなく“フリーライド(ただ乗り)”する者たちを排斥しなければならないから
です。
ところで、不正競争防止法2条1項3号がいう
「商品」
とは、商品自体に限られません。
その容器や包装など、
当該「商品」
と一体となって、商品自体と容易に切り離し得ない態様で結びついているものも「商品の形態」の一部として保護することとしております(大阪地裁96年3月29日決定)。
なお、このような形態模倣行為を
「不正の利益を得る目的」
をもって行った場合、
「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科」
という罰則が規定されています(不正競争防止法21条2項3号)。
ここでいう
「不正の利益を得る目的」
とは、公序良俗に反する態様で自己の利益を不当に図る目的をいうと解されます。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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