「不利益処分」
とは、行政機関が、許認可の取り消しや業務停止命令、金銭の納付命令等、一方的に不利益を与える処分で、刑事罰とは違います。
例えば、交通事故を起こした場合、自動車運転過失致死傷罪で逮捕・起訴されるのとは別に、公安委員会という行政機関が運転免許の停止や取消処分をします。
前者が刑事罰、後者が不利益処分の話です。
また、インサイダー取引等で課される課徴金も、刑事罰としての罰金とは異なり、課徴金納付命令という不利益処分が課されるということです。
日本も一応人権国家なので、言い分も聞かずに行政が免許を取り上げるという野蛮なことはできません。
どんなにヒドい事件や事故を起こしても、不利な処分がされる場合には、
「手続保障」
すなわち反論・防御をして自らの権利利益を守る機会が保障されており、行政手続法で規定されています。
具体的には、処分内容の通知、理由の提示が義務、処分基準の設定・公表が努力義務とされています。
さらに、反論の機会として、聴聞手続と弁明手続があり、原則として、許認可の取り消し等不利益の程度が大きい場合は聴聞手続、それ以外は弁明手続と振り分けられます。
とはいえ、行政機関が、世情の安定のため、事実誤認や無茶な事実認定、見世物的な処分を行うなど不当な処分がされる可能性がないとはいえません。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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