自己の承諾なしに、自己の容ぼうや姿態を撮影されたり描かれたりされず、また、自己の写真等をむやみに公表されない権利を肖像権といいます。
この権利は、明確に何らかの法律上にはっきりと規定されたものではありませんが、国民は憲法13条によって国民の私生活上の自由が保障されており、その一環として認められている権利です。
そして、肖像権は、このような私生活上の自由として保護されているだけではありません。
肖像という個人の容ぼうや姿態は,商品の販売等を行うに際して、これを促進する顧客吸引力を有する場合があります。
そこで,このような顧客吸引力を利用する権利は、肖像等それ自体の商業的価値に基づくものとして保護されます。
これが肖像権のうち
「パブリシティ権」
と呼ばれるものであり、裁判所によって認められた権利なのです。
プライバシー権という人格上の利益が侵害された場合は精神的苦痛という低い賠償相場の事案にとどまるのに対し、パブリシティ権という経済的利益が侵害された場合、高額な経済的利益の回復も求めることが可能になります。
つまり、
「使用許諾契約を締結した場合の許諾料を損害として算定し、これをすべて賠償せよ」
というような議論が可能となるのです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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