00579_被告が「訴訟上の和解」条件設計に際して考慮すべきポイント:(2) 和解金の支払名目

和解金の支払名目ですが、今後同種の訴訟が生じないタイプの事件であれば格別、引き続き、同種事件の同種被害者から訴えが生じうるケースについては、法律上の損害賠償義務の存在を前提としない、解決金とかの名目にしておいた方がいいでしょう。

すなわち、大規模な被害原告が生じうる事件の損害賠償義務の相手方は、何も現在原告となっている債権者だけとは限りません。

すなわち、今後、ほかにもうじゃうじゃ損害賠償を求めて提訴してくる連中がいるかもしれません。

そんなときに、加害者・被告が、今回の裁判で、
「自分の非違や相手に金銭に換算し得る具体的損害を被らせたこと」
を認めたとなると、これが前例として、次回の裁判で相手方に援用されるかもしれません。

ですので、 引き続き、同種事件の同種被害者から訴えが生じ得るケースについては、
「お互い大人として、悪いことをしたかどうかは明らかにしないようにして、とりあえずこんな無駄な紛争は止めましょう。そういう大人の解決のためにお金で関係を清算しましょう」
という趣旨のお金のやりとりだけにしておくことには意味があります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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