00592_企業法務ケーススタディ(No.0200):裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!をご覧ください。

相談者プロフィール:
株式会社雅・コーポレーション 代表取締役社長 富井 雅(とみい まさ、55歳)

相談概要:
雑貨を扱う商社を経営する相談者は、爆買いツアーを企画した旅行会社に広告費用などを貸し付けました。
利益は7対3で合意、貸し付けも含め書面にはしませんでした。
見込みどおり商品は相当売れ、軌道にのったので、分割でいいから貸した金を返してほしいといいました。
しかし、旅行会社は、返金せず、ツアー客を連れてこなくなったばかりか、
「外国人観光客をだまして高値で売りつけている」
風評を触れ回るようになりました。
以上の詳細は、 ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【事例紹介編】 をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1:裁判所からみた民事紛争の正体
当事者にとってみれば、
「それぞれが認識している真実があり、それぞれに言い分があり、それぞれが固く信じる『民事上の法的正義の実現』なるものを求めて、裁判所という公的機関の判断ないしお墨付きを求め」
ていると思われます。
しかし、通常の裁判紛争については、(少なくとも裁判所の目線からは)
「ほとんどの事件には絶対的な正義などというものは存在せず、くだらない意地の張り合い、エゴのぶつかり合いでしかない」
とみられています。
以上の詳細は、ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【裁判所からみた民事紛争の正体】 をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2:裁判で問われるのは「事実」と「証拠」であり、「意見」ではない
裁判は、事実と証拠に基づいて行われ、当事者の責任と役割は、事実と証拠を提示することに尽きます。
裁判所は、提出された事実と証拠に基づいて、中立的かつ独立的な観点から解釈を加え、一定の結論を出します。
裁判に時間がかかるのは、当事者・弁護士が主義主張をわめきたてたり、あるいは、ロクな証拠もなく、推論だけで話を創ろうとしたりして、前に進まないからです。
以上の詳細は、ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【裁判で問われるのは「事実」と「証拠」であり、「意見」ではないその1】ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【裁判で問われるのは「事実」と「証拠」であり、「意見」ではないその2】 をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点3:「証拠がなければ寝言扱いされる」ことに注意すべし
「契約があっても契約“書”がない、というストーリー」

「記憶があっても記録がない、というストーリー」
については、裁判所においては、
「寝言」
「妄想」(もしくは、より端的に言えば「ウソ」)
として片付けられる、というのが訴訟の現実です。
以上の詳細は、ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【「証拠がなければ寝言扱いされる」ことに注意すべし】 をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点4:民事紛争のスマートでエレガントなススメ方
民事紛争の当事者として採るべき対応姿勢としては、相手が否定し得ない事実(わかりきっていること)の事実照会をし続け、相手方としても争い得ない事実関係を積み重ねていくことによって、後日の裁判で、裁判所が好意的に評価してくれるような証拠を獲得していくことが、戦略的に正しい行動である、といえます。
以上の詳細は、ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【民事紛争のスマートでエレガントなススメ方】 をご覧ください。

モデル助言:
まずは、民事上の貸金返還の問題をスタンドアロン化して、事務的に、かつ冷静に、民事訴訟を提起し、解決を求めることが適切です。
一方、誹謗中傷等に関しては、別問題として、前述のように事実照会の文書を幾度も送付し続けることになります。
裁判所としても、このような地味で堅実な努力を怠らない勤勉な当事者を、
「救済に値するお品の良い被害者」
として扱ってくれる方向に流れやすく、そうすると、貸金合意に関しても、
「借用書その他決定的証拠に乏しいとはいえ、主張する事実は確実に存在していたのであり、富井さんはだまされた、気の毒な被害者なんだろう」
という心証を形成しやすくなります。
以上の詳細は、ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【今回の経営者・富井(トミイ)社長への処方箋その1】
ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?!【今回の経営者・富井(トミイ)社長への処方箋その2】 をご覧ください。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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