企業法務部とは、「法務」という「企業をクライアントとする、安全保障サービス」を提供する、
「社内サービス提供部署」兼「外注管理部署」
です。
サービスの具体的内容は、
「企業の法的脅威に対する安全保障に関するサービス全般」
ですが、サービス調達(機能調達)には、
・内製化(インソース)
・外注化(アウトソース)
いずれかの調達方法によります。
すべてを内製化(インソース)するのは、無理があります。
もちろん、どんなシビアなインシデントが発生しても、危機対応から訴訟対応を含め、すべて社内弁護士が完遂する、ということもなくはありません。
しかし、専門性や期待される能力や経験、負担できる責任の範囲や質、さらには、社内的な納得や対外的説明を考えれば、
「いかに、弁護士資格があるとはいえ、社内で内製化された仕事を中心に担ってきただけの人間を、いきなり社運のかかった裁判を、丸投げして、本当に大丈夫か? 単にコストの問題ではなく、存亡の問題だぞ。修羅場経験のある、百戦錬磨のプロの傭兵集団に任せるべきではないか」
という疑念払拭するため、外注調達し、社内弁護士には、むしろ外注管理をしてもらう方が合理的です。
他方、すべてを外注化する方向はあり得ます。
といいますか、年商2、30億円に届かない、一人法務すら社内整備できない中小零細企業においては、外部法律顧問(顧問弁護士)が、
「企業の法的脅威に対する安全保障に関するサービス全般」
をまるごと担っている、という状態が普通に存在します。
法務部という組織自体、法律上設置が強制されているわけでもありませんから、なくても、まったく問題ありません。
要するに、「法務」サービスないし機能の調達方法は、企業の実情によって様々ですし、また、法務部という組織も、一切合切外注、という方向すらあり得るところです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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